博士の挑戦状
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第百八十一話
第百八十一話 尾鰭
小田切君はブリーフ13の都市伝説化したネットで出回っている話を確認してそのうえで博士に言った。
「いや、もうです」
「無茶苦茶じゃな」
「訳がわからなくなっています」
こう博士に語った。
「それこそ」
「有り得ない話がどんどん出ておるな」
「ちょっと考えたら有り得ない様な」
そうしたというのだ。
「話があります、三人いるとか」
「一人ではなくじゃな」
「空を飛ぶとか」
そうした話も出ているというのだ。
「鉱物はポマードとか」
「ああ、ポマードを食うのじゃな」
「そんな話も」
「それは完全に口裂け女じゃ」
博士はまさにと指摘した。
「口裂け女はポマードと言われると逃げるが」
「何かベッコウ飴が好きで」
小田切君もこの話を知っていて応えた。
「それとポマードを間違えてでしたね」
「ポマードを食ったという話でな」
「それで、ですね」
「口裂け女はポマードが苦手なのじゃ」
言われると逃げる程だというのだ。
「そうなのじゃ」
「そうですね、それの裏返しですね」
「そうじゃ」
まさにというのだ。
「この話はな」
「やっぱりそうですね」
「そして他にもあるな」
「水面の上を歩くとか」
見ればそんな話もあった。
「バイクより速く走るとか」
「色々あるな」
「他にもどんどん」
「それが都市伝説じゃ、話がな」
それがというのだ。
「どんどんな」
「尾鰭が付きますね」
「そうなっていってな」
「収まりがつかないんですね」
「そういうのじゃ」
「そうなんですね」
「しかし真実はな」
それはとだ、博士は小田切君に言うのだった。その話は都市伝説についての真理を話したものであった。
第百八十一話 完
2024・7・4
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