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シスターユーチューバー

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第二章

「喜んで」
「そうですか。ではお願いします」
「それでは」
 こうしてだった。
 麗華はユーチューブにおいて顔を出してそのうえでカトリックの教義を話すことになった、シスターの服を着て聖書を手に穏やかに話していった。
 すると登録者も視聴者もそれなりにあった、好評と言えた。
 だがこのことについてだ、麗華は司教に尋ねた。
「またどうしてユーチューブでお話をしようと思われたのですか」
「仏教の僧侶の方がされているのを見たのです」
 司教は真面目な顔で答えた。
「それで私達もと思いまして」
「それでなのですね」
「それに日本ではです」
 司教は今度は困った顔になって話した。
「ご存知の通り信者の方がです」
「少ないですね」
「全人口の一パーセントしかいません」
「プロテスタントと合わせて」
「はい、中々です」
「広まりませんね」
「その状況を何とかする為にも」
 このことも考えてちうのだ。
「ユーチューブでと考えました」
「そうでしたか」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「正直に申し上げるとシスターの外見が整っているので」
「私のですか」
「ユーチューブに出られてもです」
「人気が出ますか」
「そうも思いましたので」
「それで、ですか」
「考えました、それなりにチャンネル登録も視聴もありますし」
 司教はそれでと話した。
「成功と言えますね」
「そうですね」 
 麗華自身も答えた。
「確かに」
「シスターがいいのならこれからも」
「お話をしていきますか」
「そうしてくれますか」
「私の考えは変わりません」
 麗華は澄んだ微笑みで答えた。
「神の御教えを広められるなら」
「それならですね」
「お話させて頂きます」
「それでは」
 お願いしますとだ、司教は言った。そして麗華は微笑んだまま頷いた。
 麗華はそれからもユーチューブでカトリックのことを話していった、それで登録者も視聴数も多かった。だが。
 信者は増えたかどうかは誰も話さなかった、日本でのキリスト教徒の割合は変わらず麗華も司教もどうしたものかと言うばかりであった。


シスターユーチューバー   完


                    2024・9・19 
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