星河の覇皇
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第八十七部第二章 膠着状態に入りその五十五
「着ている服も」
「いいよな」
「はい」
実際にというのだ。
「本当に」
「それでもな」
「何で我が軍を観ているのか」
「わからないな」
「俺もです」
「まあ連合には連合の考えがあるか」
先輩はここでこうも言った。
「それでな」
「それに基づいてですね」
「動いていてな」
そしてというのだ。
「俺達もな」
「見てるんですね」
「そうだろうな、まあな」
「別に軍事機密でないなら」
「中隊長も何も言ってないしな」
「観てればいいですね」
「自由にな」
彼等が観たいだけというのだ。
「そうしていいか」
「そういうことですね」
「どうせ観るもの全部観たらな」
「それで帰りますね」
「そうだよ、どうせ連合から見たらこっちは未開の貧乏人の世界だ」
サハラ自体がとだ、先輩は自嘲して述べた。
「だから観るものも少なくてな」
「そのうち飽きますね」
「そうなるだろ」
「じゃあそういうことで」
「ああ、観たいだけな」
「観てもらいますか」
「そういうことだな、しかしでかいな」
先輩は今度は連合軍の将兵の体格の話をした、見れば彼等はサハラの者達よりも頭一つ分は優に大きい。
「連中は」
「食ってるもんが違いますね」
「栄養のいいものをいつもな」
「腹一杯食ってますね」
「俺達も腹一杯食えるけれどな」
「質が違いますね」
「だからな」
それが為にというのだ。
「体格もな」
「違いますね」
「しかも連中何でも食うだろ」
「豚肉もやたら食いますし」
「それも内臓までな」
「残さず食いますね」
「羊食ってもな」
イスラム国家即ちサハラでは肉といえばこちらである、鶏肉もよく食べられるがやはり肉といえば羊であるのだ。
「脳味噌も内臓もな」
「まさに全部ですね」
「食ってな」
そしてというのだ。
「もうそれこそ声以外な」
「羊も食いますね」
「それだけ食うから」
「もうですね」
「ああ、食う量も違うしな」
「連中は大きいんですね」
「何でも大量に食ってるからな」
それだけ栄養を摂取しているからだというのだ。
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