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古いラーメン屋が

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第二章

「また美味しいんだ、他の料理も」
「じゃあその昔ながらのラーメンを」
「食べよう」
 こうした話をしてだった。
 店に向かった、長谷川がここだよと言った店の前に来ると。
 今風の清潔な感じの店だった、昭和の趣は何処にもなく暖簾も商品サンプルもなかった。それでだった。
 長谷川は苦笑いしてだ、土方に言った。
「去年来た時は違ったんだけれどね」
「建て替えたみたいですね」
「そうだね、古いからね」
「地震の耐久年数とかもありますし」
「それでだね」
「建て替えましたね」
「そうだね、まあ味は食べてみたいとわからないし」
 その今風の店の前で話した。
「食べようか」
「そうしましょう、部長」
 土方は長谷川に応えた、そうしてだった。
 店に入ると店も今風だった、清潔で如何にも新築だった。昭和の趣など何処にもなくまさに今であった。
 その中で二人でラーメンを注文してそれぞれ食べるとだった。
「味は同じだよ」
「美味しいですね」
「昔ながらの味だね」
「街のラーメン屋ですね」
「うん、店は建て替えても」 
 そうしてもというのだ。
「味は変わらないよ」
「美味しいままで」
「そうであってよかったよ、入社したての頃に見付けたお店だけれど」
 それでもというのだった。
「味は変わっていなくて」
「よかったですね」
「本当にね」
 土方に言ってラーメンを食べた、それは本当に美味く食べて満足したのだった。そうして食べ終えて会社に戻ってラーメンで得た英気で意気揚々と働いた。


古いラーメン屋が   完


                   2024・9・18 
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