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夢幻水滸伝

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第三百六十四話 賭けの攻勢その十五

「もうな」
「突破出来ないですね」
「残念ですが」
「そして遂に燃料も弾薬もなくなりました」
「戦車ほ航空機も殆ど動けなくなりました」
「武器も防具も損耗が激しく」
「これ以上は戦えないです」
 将兵達がその場にへ垂れ込む様になって言ってきた。
「そして我等もです」
「最早です」
「動けないです」
「もう限界です」
「戦えません」
「相手もやな」
 ガーランドは敵軍を見た、見れば彼等もだった。
「そうやな、ほなな」
「引き分けですか」
「この戦は」
「そうですか」
「もう戦えん」
 この現実を言葉に出した。
「そやからな」
「戦は引き分けに終わり」
「これからどうするか」
「それが問題ですね」
「戦えん様になっても政は続く」 
 戦は政の中にあるものだ、だからだというのだ。ガーランドは将兵達に対してこのことも話すのだった。
「そやからな」
「後は政ですね」
「それのお話ですね」
「そうなりますね」
「そや、何はともあれ戦は終わりや」
 これはというのだ。
「これ以上戦えんからな」
「だからですね」
「もう終わりで」
「我々もですね」
「お疲れさんってことで」
 それでというのだ。
「またな」
「はい、休ませて頂きます」
「これから」
「そうさせて頂きます」
「そういうことでな、おらっちもな」
 ガーランド自身もというのだ。
「今日はな」
「休まれますね」
「これから」
「そうされますね」
「まずは食ってな」
 そうしてというのだ。
「寝て」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「明日からですね」
「また動くわ、ほな皆撤収や」
 こう命じてだった。
 ガーランドも他の者達を軍を退かせた、アメリカの覇権を賭けた戦は引き分けに終わった。だが今度は政の話になるのだった。


第三百六十四話   完


                   2024・8・1 
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