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夢幻水滸伝

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第三百六十四話 賭けの攻勢その十三

「ええな」
「わかりました」
「ではこれよりです」
「総攻撃に移しましょう」
「そうしましょう」
「全てを賭けてな、ほな行くで」
 こう言ってだった。
 トウェインもまた総攻撃に移った、まさに全ての将兵達が攻撃に加わった。両軍は最早戦線の防護を捨てて完全にぶつかり合った。
 銃撃や砲撃、術の応酬だけでなくだ。
 弓も放たれ剣や槍もぶつかり合う、まさに死闘であり血で血を洗う攻撃の応酬となっていた。その中でだ。
 東軍の犬人の若い兵士の首が飛んだ、ジェーンはその首を右手で掴むと即座に復活の術を使って彼の首を投げてだった。
 まだ立っている彼の身体に投げた、すると首は瞬時につながって兵士は言った。
「助かりました」
「ええ、よかったわね」
「はい、首が飛んでもです」
 兵士は首に手を当てつつ話した。
「復活させて頂けるのなら」
「今のは咄嗟にね」
「動いてくれましたね」
「ええ、例え首が飛んでも」
 今の様にというのだ。
「生き返ることが出来るならね」
「有り難いです」
「そうね、ただ」
 ジェーンは兵士に笑って話した。
「正直今は咄嗟で」
「たまたま傍にジェーン様がおられたので」
「出来たけれど」
 復活させることがというのだ。
「本当に運がええことで」
「そうはですね」
「ないわ、後方に送られて」
 通常はというのだ。
「復活させられたわ」
「そうですね、そのうえで」
「本当にね、しかし案外ね」
 ジェーンは考える顔でこんなことも言った。
「人の首は飛びやすいわね」
「今は爆風でしたが」
「その爆風でもね」
 それを受けてもというのだ。
「簡単にね」
「首が飛びますね」
「そして死ぬわね」
「そうですね、実際に」
「他にも切られるなりして」 
 そうしたケースもありというのだ。
「簡単にね」
「飛びますね」
「そうね、そやけどこの世界では復活が出来るから」
 例え命を落とそうとも寿命でないのならというのだ。
「それでね」
「そのことは有り難いですね」
「ええ」
 そうだというのだ。
「ほんまにね」
「この世界では命を復活させる技術がありまして」
「術なりね」
「それで死んでもですが」
「少なくとも僕ちん達の起きた世界やと」
 そちらではというのだ。
「残念ながら」
「そうした技術は存在しないですね」
「そやから」 
 それ故にというのだ。 
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