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金木犀の許嫁

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第三十五話 大阪でのデートその五

「そうしたらどちらもね」
「ボリュームあるんだ」
「自由軒のカレー大盛りあるのよ」
「そうなんだ」
「そう、普通の倍位の量があって」
 そうであってというのだ。
「あそこのカレー生卵入れるわね」
「名物だよね」
「ご飯とルーを最初から混ぜてあって」
 そうであってというのだ。
「それでね」
「真ん中をへこませてね」
「お皿の上のカレーのね」
「そうしてね」
 そのうえでというのだ。
「そこに生卵を入れるね」
「その生卵の部分におソースをかける」
「そこからかき混ぜて食べるんだよね」
「自由軒の名物カレーはね」
「そうだったね」
「それでね」
 そうであってというのだ。
「大森だとカレーの量も多くて生卵二つなのよ」
「倍だね、まさに」
「もうお皿に一杯で」
 そこまでの量でというのだ。
「食べると一杯でかなりみたいだよ」
「そいうなんだ」
「私も佐京君もよく食べるけれど」
 それでもというのだ。
「多分これ一杯でね」
「お腹一杯だね」
「そうなると思うわ、そこにね」
「善哉だね」
「それもあるけれど」
 夜空はその善哉の話もした。
「あそこは二つ出るから」
「お椀が」
「夫婦だから」
 それでというのだ。
「二つ一緒に出るのよ」
「あのお店はそれで有名だね」
「ただカップルで行くだけじゃなくて」
 それで止まらずというのだ。
「二つ揃って出るから」
「夫婦善哉だね」
「そうなのよ、それで二つ出るから」
 それ故にというのだ。
「あそこも量がね」
「多いね」
「何か量を多く見せる為に持って言われてるらしいけれど」 
 夫婦善哉の作中で実際に言われている、一つより二つ出した方が善哉の量が多く見えるとである。
「そうだけれど」
「実際にだね」
「やっぱり二つだから」
 それだけ出るからだというのだ。
「多いのよ」
「そうなんだね」
「だからね」
 それでというのだ。 
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