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ボランティアで頑張れ

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第二章

「辞めないな」
「留年しないといいんですよね」
「だったらアルバイト続けて卒業しないと駄目だ」
「両方ですか」
「内申点稼げ、君は確かに成績は悪いが」
 生徒指導室で言うのだった。
「授業は出ているし悪いこともしない」
「不良はファッションですよ」
「だったら内申点をもっと稼げ」
「そうしたら卒業出来ますか」
「ボランティアに参加したら内申点はよくなる」
 武内にそうなることを話した。
「ならいいな」
「これからはアルバイトだけでなくボランティアもですか」
「やるんだ、哨戒するからな」
「卒業して働いてお金稼ぎ続けるなら」
「そっちも励むんだ、いいな」
「わかりました」
 武内は大喜多の言葉に素直に頷いた、彼は外見は不良でも根は真面目であった。そして大喜多が紹介する清掃等の市内のボランティア活動にだった。
 参加してそちらにも精を出した、すると。
 内申点がよくなりそうしてだった。
「卒業出来るぞ」
「俺卒業式に出ていいですか」
「ああ、しかしだ」
 大喜多は武内に苦い顔で言った。
「最後のテストでも追試ばかりだったな」
「俺ずっと追試受けてましたね」
「補習とな、しかしこれでだ」
「もう追試ないですね」
「補習もな、しかし若しな」
 大喜多はこう言うことも忘れなかった。
「君はボランティアに参加しなかったらな」
「卒業出来なかったですか」
「そうだった、アルバイトもいいがな」
「勉強もですか」
「すればよかった、だが働くことはいいことだ」
 このこと自体はというのだ。
「もう就職は決まってるな」
「はい、バイト先にそのまま」
「それなら引き続きだ」
「働いていきます」
「頑張るんだ、働くことはいいことだ」 
 このこと自体がというのだ。
「卒業しても頑張れ」
「そうしていきます」
 大喜多に笑顔で応えてだった。
 武内は卒業式に出て高校を卒業した、そしてアルバイト先にそのまま就職し多くの資格も取ってであった。
 立派な社会人として暮らしていった、だが結婚して子供が出来るとその子供に俺は勉強は駄目だと笑って言った。しかしその子供がアルバイトではなく学業に力を入れて一流大学にまで行って驚いたが自分も高校時代勉強に向かっていればこうなったのかもと思ったのだった。


ボランティアで頑張れ   完


                   2024・9・17 
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