ばれた浮気メール
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第一章
ばれた浮気メール
阪神タイガースのファン達には受難が多い、それはこのチームがここぞという時に負けたり大ネタを提供するからだ。
この年阪神は日本シリーズに出場した、しかし。
「何やこの負け方!」
「守備妨害で終わりって何や!」
「こんな日本シリーズの終わり方これまであったか!」
「一勝した思うたら四連敗でこれか!」
「抗議の横で胴上げかい!」
「何でこうなるねん!」
前代未聞と言える守備妨害によるアウトで日本シリーズ終了という事態になった、監督である和田豊は抗議をしているところでテレビ画面に相手である福岡ソフトバンクホークス日本一という言葉が出る有様だった。
「前のシリーズは最悪やったけどな」
「三十三対四はな」
「一勝したしな、今回」
「しかも点差あそこまでいかんかったし」
「これだけのネタでもな」
「まだましやな」
「しかも二位からシリーズ出たんや」
全人類普遍の敵にして邪悪の権化である読売ジャイアンツに正義の鉄槌を下したうえでのことである。
「よかったな」
「夢見せてもらったわ」
「日本一かもってな」
「そう思うとええな」
「ああ、シリーズ出れてよかった」
「来年出て日本一になろな」
「リベンジや」
こんなことを話してだった。
阪神ファン達は気を取り直した、こうしたことで気を落としてはこのチームのファンなぞ出来ないと思った。
だがその後でだ、チームを新たな大ネタが襲った。
「何やこれ!」
「今度は不倫か!」
「あいつ何やっとんじゃ!」
「何がチュッ、じゃ!」
「あの顔でやるんか!」
「相手誰やこれ!」
その騒動の相手のことも確認され。
「ああ、あいつ松田聖子さんのファンやったか」
「しかも大ファンか」
「それで物真似やってるから付き合ったか」
「奥さんおるのに」
「お子さんおるのに」
「引退してからか」
「コーチに専念した時の話かいな」
ファン達は落胆した、だが。
無数の大ネタに鍛えられている彼等は強かった、それでだった。
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