博士の挑戦状
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百七十九話
第百七十九話 通報の嵐
兵庫県警がブリーフ13についての情報提供を依頼したところ県警に通報がまさに秒単位でやってきた。
「凄いですよ、署長」
「うちの署だけでも一日二百件だからね」
「県全体で一日一万件は来ています」
若い巡査が署長に話していた。
「物凄いですよ」
「まあ当然だね」
署長はまさにと述べた。
「ブリーフ13についての通報が多いのは」
「目立つからですね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「これ以上はないまでにね」
「そうですね」
巡査もその通りだと答えた。
「白昼堂々街を白ブリーフ一枚で歩いていたら」
「上半身はネクタイ一枚でね」
「完全な変態さんですからね」
「普通に猥褻物陳列罪だからね」
「露出狂と変わらないですね」
「何でもだよ」
ここで署長は巡査にこうも言った。
「仕事の依頼を受けた時はトレンチコートを着て」
「まさか」
「そう、露出狂みたいにね」
まさにそうした感じでというのだ。
「そのコートを両手で左右に拡げて」
「白ブリーフを堂々と見せるんですね」
「それもガニ股でね」
「それだけで逮捕されますね」
「うん、スナイパーらしいけれど」
「それ以上に変態さんですね」
「最悪のね」
署長はこう言い加えた。
「変態さんだよ」
「文字通りそうですね」
「だから通報を依頼したら」
兵庫県の人達にというのだ。
「それだけだよ」
「通報が殺到していますね」
「ここまでの変態さんだと」
「皆見たら忘れないですね」
「そして明らかにおかしいからね」
「通報してくれますね」
「そうだよ、ではその通報に基づいて動こう」
署長は巡査に言った。
「そして逮捕しよう」
「わかりました」
署長は敬礼して応えた、兵庫県警は殺到する情報提供を受けつつブリーフ13の捜索にかかったのだった。
第百七十九話 完
2024・6・30
ページ上へ戻る