| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

現実世界は理不尽に満ちている!

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第82話「土星沖海戦」パート1

 
前書き
ネオ・代表O5−1です。第82話「土星沖海戦」パート1になります。
どうぞ、ご覧ください。
 

 
 ―――土星宙域。

 太陽系第6番惑星の土星沖では、ガトランティス艦隊が来襲するであろうことを予期して、エンケラドゥス守備艦隊が巡回行動中にある。

 この守備艦隊も、先日の冥王星守備艦隊と同じ規模で構成される規模の艦隊であり、その内2隻のFG300型偵察フリゲート艦と2隻のパトロール艦と2隻が距離を置いて索敵中。

 「前方にワープアウトを確認!ガトランティスです!規模‥‥‥100‥‥‥300‥‥‥更に増大中!」

 「艦種識別…カラクルム級戦艦です」

 「全艦、第1種戦闘配置へ。それと、司令部に援軍要請を」

 …であったのだが、現在は戦闘態勢を執っている最中だ。…カラクルム級ということは、やはり250万隻もの超大艦隊がやってくるということ……贅沢なことだ。震えたい。

 「地球軍、波動砲の発射準備に入るとのこと」

 まぁ、援軍が来るまでの間、持ち堪えようか。全滅覚悟でな。

 「敵艦隊、U字となり半包囲に移る模様です」

 「波動砲の発射準備が完了し、データリンク完了したと報告が」

 とても守備艦隊だけで対処するなど困難であろうが、波動砲艦隊を甘く見てはいけない。

 「地球艦隊、波動砲を発射」

 放たれた波動砲は、集団たるカラクルム級群を一挙に光の網に捉えた。眩い光に包まれたカラクルム級群は波動砲の波に揉まれたかと思うと、あっという間にデブリへと成り果てた。

 「冷却機能、最大稼働」
 「戦果3200隻。…しかし」
 「ワープアウト増大中」

 だが、それでもなお、カラクルム級群の勢いは止まらない。
 
 3200隻ものカラクルム級を撃破してもなお、絶賛カラクルム級は現宙域にワープアウト。そして、遂に撃破したカラクルム級含めての算定数が判明した。

 「敵艦隊の算定数、カラクルム級249万隻9960‥‥‥いえ、更に後方、新たな集団がワープアウト!」

 「フっ、来たか」

 「ラスコー級14隻、ナスカ級26隻っ。更に大型の反応が1隻ッ、データベースにない未知の艦影です!」

 「メインパネルに映せ」

 ……ふむ。1㎞を超える巨体と4本の飛行甲板が有り、その飛行甲板上に500m級のカラクルム級戦闘艦を優に2隻づつ、並べることが出来る程の大きさだ。

 さながら、ナスカ級の巨大バージョン兼進化バージョンと表すればよいか…。

 「この未知の敵艦を旗艦と設定。…航空隊、全機急降下!」

 予め出撃させていた航空隊が旗艦を護衛するラスコー級、ナスカ級を真上からミサイル攻撃と爆撃を敢行。地球軍も同様であり、ミドガルド航空隊に続いて地球航空隊もミサイルの雨を降らす。

 それにより、旗艦を護衛していた全てのラスコー級とナスカ級は航空隊による攻撃をもろに受け、リングの中へと沈んていった。

 その直後である。

 「敵旗艦、回転を始めた模様!」

 並列に並んだ2つの円柱型を楕円型フリスビーが上下からサンドイッチした様な艦体が、最後部に聳え立つ艦橋と機関部の位置をそのままにして、回転を始めたのだ。

 いったい何を…ん?甲板上に何かがある…?

 「敵旗艦大型空母より、地球軍の磯風型駆逐艦規模の大きさに匹敵する物体の発艦を確認」

 「射出物体…いえ、飛行物体は急速に向かって来ています!」

 「撃ち落とせー!」

 艦長指示の下で急速に向かってくる飛行物体を迎撃する。ミドガルド軍は勿論の事、地球軍も同様に迎撃する。

 しかし、これだけの迎撃で以ってしても、有効弾を出すことはままならない。

 それは仕方が無いのかもしれない。

 短剣状の独特な艦体構造を有しており、当然のことながら全幅は非常に狭い。地球軍の護衛艦よりも小さい幅であるし、まるでミサイルの如く、突っ込んで来ているのだから…。

 まぁ、例えミサイルの如く突っ込んで来る物体が迎撃を掻い潜り、友軍艦に接触し衝突したとしても、エリスフィールドで防げるのだから…何も問題は無いのだ!……私、フラグ建築していないよな?。

 「先頭に居た地球軍の護衛艦8番艦。波動防壁を突破された模様!」

 …フラグを建築してしまったか。

 「護衛艦8番艦、串刺し後に速射輪胴砲塔で零距離攻撃されてしまい轟沈!」

 地球軍の護衛艦F8は波動防壁はものの数秒も経たずに破られてしまい、巨大なナイフとなって護衛艦の艦体に、文字通り突き刺さってしまったようであり、その直後に両舷に装備している速射輪胴砲塔で以って零距離射撃で放って滅多打ちにされて、…この世からサヨナラした。

 他人事で言ってしまっているが、こんなもん溜まったもんではない。某帝国の”天皇陛下万歳”特攻と同じくらいに、たちが悪い。本当に。

 次々と1隻、また1隻、と餌食となっている最中であるエンケラドゥス守備艦隊。挙句には、地球軍次世代主力量産型戦艦であるドレッドノート級までも餌食となった。嫌だ、餌食になりたくない!
 
 ちなみに今もなも万歳特攻している、この小型艦の名称はイータIだそうだ。名称を知ったのは傍受したからである。
 それよりも……地球含め守備艦隊の被害は大きい。

 飛来して来たイータI全て撃破出来たとはいえ、油断は出来ないところだ。

 「コマンダー、我が方の残存艦は?!」
 「本艦以下プロテクト級Ⅱ型3、セレスター級Ⅱ型5、クワオアー級改4、AC721スサナー支援級Ⅱ型7、AC721スサナーⅡ級ミサイル型3、FG300型偵察フリゲート2隻です」
 「上方より、敵カラクルム級多数接近ッ!」
 「おのれッ‥‥‥!」

 だが1つ言わせて欲しい……お終いだ!神は言っている。此処で死ぬ定めだと。嫌だー、死にたくな〜い!
 そう思っていたその時だった。

 「上方より接近中のカラクルム級全て消滅!」

 なんと膨大な艦隊を青い光の波へと呑み込んでいったのだ。

 「我が艦隊後方より高エネルギー反応を検知。…これは、波動砲です!」

 「艦隊識別…地球軍の山南艦隊です!」
 
 …助かった?

 「山南艦隊の後方よりワープアウト反応多数…友軍です!」

 フフフっ、これはもう勝ったな。 
 

 
後書き
さてさていかがだったでしょうか。至らないところもあるかと思いますが、温かい目で観ていただけると嬉しいです。ご意見、ご感想お待ちしております。次回もお楽しみに! 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧