ウルトラマンメビウス　ウルトラ兄弟最大の戦い

「私とて闘う時は闘う。しかし」
　そのうえで言う。
「そうでない時は闘わない。それだけだ」
「くっ」
「そしてだ」
　メフィラス星人の言葉は続いた。
「そのウルトラキラーザウルスは確かにヤプール達の残した超獣だ」
「それは知っている」
　エースがそれに返す。
「エースキラーから作られたこともな」
「流石だ、ウルトラマンエース。しかしだ」
「ムッ！？」
「我々とてヤプールは知っている」
「そういうことだ！？」
　それにセブンが問うてきた。
「ヤプールを知っているとは」
「この言葉の通りだよ」
　メフィラス星人は笑いながら言葉を返した。
「ヤプールは悪意の権化。我々にとっても危険な存在」
「それを解放したのが貴様等ではないのか」
　ジャックが問い詰める。
「解放したのはあくまでウルトラキラーザウルスのみ」
「ウルトラキラーザウルスのみだと」
　８０がそれに顔を向けてきた。
「ではヤプールは」
「そうだ、ヤプールまでは解放していない」
「そうだったのか」
「しかしだ」
　そのうえでさらに言ってきた。
「そのＵキラーザウルスに果たして勝てるかな」
「馬鹿な！」
　メビウスは毅然としてそれに言い返した。
「勝ってみせる！何があっても！」
「ほう」
　メフィラス星人の声がそれに笑みを見せてきた。
「面白いことを言う。君の名を知りたくなったな」
「メビウス」
　メビウスはそれに自分の名を口にして言い返した。
「ウルトラマンメビウスだ」
「そうか、ウルトラマンメビウスか。覚えておこう」
　メフィラス星人の声には余裕の笑みがあった。
「だがそれもこの闘いに生き残れればこそ。果たしてそれができるかな」
「メフィラス星人よ」
　今度はウルトラマンが彼に言った。
「我々は何があっても勝つ。それをよく覚えておくのだ」
「わかった。では期待しておく」
　メフィラス星人はそう言って気配を消すことにした。
「また会う時をな」
　そこまで言って気配を消したのであった。後には荒れ狂う巨大な怪物の姿があるだけであった。
「何という大きさだ」
　優にウルトラマン達の数倍以上はあった。
「あれだけの大きさとなると」
「容易な攻撃では倒せないぞ」
「だがそれでも」
　ゾフィーが兄弟達に対して言う。
「闘うんだ、そして勝つ」
「そうだ」
　タロウがそれに頷いてきた。
「ゾフィー兄さんの言う通りだ。だからこそ」
　彼は前に出ようとする。だがそれはヒカリが止めた。
「待って下さい、教官」
「ヒカリ」
「今は迂闊に前に出ると」
「危険だというのか」
「はい、あれだけの威容だと」
「しかし」
　それでもタロウは行こうとする。
「行かなければならない」
「いや、タロウ」
　そんな彼をセブンも制止してきた。