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星河の覇皇

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第八十七部第二章 膠着状態に入りその二十二

 それでも他のことは順調と言えた、それでアッディーンもアリーの司令室においてシンダントに話した。
「満足すべきだな」
「アバダン星系の基地化の状況は」
「そうだ、ダビデブ上級大将は軍港が遅れているというが」
「それでもですね」
「他のことは順調でだ」
 それでというのだ。
「軍港のことも人材と施設が来る」
「間もなく」
「だからだ」
「満足すべきですね」
「むしろこれ位で遅れていると言うとな」
 そうすればというと。
「何を以て順調と言うかだ」
「その様なものですか」
「そうだ、まして今はティムール軍も軍の再編成に入り」
 そしてというのだ。
「動きを停止させている」
「はい、戦線を再構築もさせています」
「動かない、それならだ」
「今はですね」
「焦ることなく、怠惰は論外だが」
「順調ということで」
「私から言うことはない」
 一切、そうした言葉だった。
「私としてはな」
「左様ですか」
「今のところだがな、ではこのままだ」
「今はですね」
「アバダン星系を基地化していき」
「シャイターン主席が率いるティムール軍とですね」
「再び戦う、今度は潜水艦は通じない」
 これまでの戦いを決めてきたこの艦はというのだ。
「シャイターン主席にはな」
「見破られますね」
「そうだ、だから二度の会戦では使用しなかった」
 国境でのその時はというのだ。
「通じないとわかっていたからだ」
「それ故に」
「そうしてだ」 
 そしてというのだ。
「使わなかった、奇襲は成功すれば大きいが」
「見破られるとですね」
「すぐに破られてだ」
 そうなってというのだ。
「受けるダメージは倍返しだ」
「余計に酷い一撃を受けますね」
「だから奇襲は怖い」
 リスクが高いからだというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「使わなかった」
「あの艦は」
「そうした、そしてだ」
 アッディーンはさらに話した。
「そのうえで戦う、少なくとも彼が直接率いる軍にはな」
「使用しないですね」
「使っても破られる」
 このことが確実だというのだ。
「それなら最初からだ」
「使わないことですね」
「奇襲と言ってもそれぞれの地形で伏兵等がわかる」
 何処に伏兵が置かれているかというのだ。 
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