八条学園騒動記
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第七百六十六話 沙羅双樹の花その六
「仏教では」
「そうなのですね」
「ですが私としては」
セーラは自分の考えを述べた。
「地獄の亡者よりもです」
「餓鬼は下ですね」
「そしてその下は限りなく」
「何処までも堕ちていきますか」
「そうしたものだとです」
その様にというのだ。
「考えています」
「そうですか」
「それが餓鬼であり」
「下には限りがないのですね」
「仏教ではこうも考えられています」
セーラ達の国であるマウリアではこの時代もヒンズー教の一派と考えられているこの宗教の話をさらにした。
「悟りを開いてもです」
「先がありますね」
ラメダスが応えた。
「そうですね」
「はい、そう考えられていまして」
「仏になってもですね」
「それで終わりではなく」
「さらに先があり」
「そしてです」
そうでありというのだ。
「より己を高められます」
「仏になろうとも」
「まだ天部にあるのは低いとされ」
仏であってもというのだ。
「菩薩や如来はです」
「より高いですね」
「そして弥勒菩薩もです」
この仏もというのだ。
「修行をしています」
「五十六億七千万年後にですね」
「全世界を救う為に」
「修行していますね」
「そのことでもわかりますね」
「悟りを開き仏になろうとも」
「まだ先があります、上には上があると言いますが」
この言葉の通りにというのだ。
「仏もです」
「己を高められますね」
「果てしなく、そして逆に」
「餓鬼もですね」
「下には下があり」
そうであってというのだ。
「果てしなくです」
「堕ちていきますね」
「今お話している人も当初は人でした」
「それが堕ちて」
「そしてです」
そうなりというのだ。
「餓鬼になりさらにです」
「堕ちていますか」
「日増しにです」
そう言っていい有様でというのだ。
「堕ちました」
「そうでしたか」
「最初はです」
「人であり」
「餓鬼に堕ちても」
そうなってもというのだ。
「まだです」
「ましでしたか」
「それが日増しにです」
「酷くなったのですね」
「その人を慕っていた人がいましたが」
そうした人もいたというのだ。
「ですがお家に上がり込んで」
「図々しくでしたね」
「今日行っていいかではなく行くと言って」
「お邪魔しますも言わないでふんぞり返って来て」
「大飯を食べていたという」
「来る度に厚かましくなっていたと」
その様にというのだ。
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