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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その六十五

「少なくとも私ならばだ」
「それが出来ますね」
「閣下ならば」
「その時を見抜かれ」
「そしてですね」
「後の先だ」
 シャイターンはこうも言った。
「敵に進撃させて攻撃の臨界点、補給のそれに達したところでだ」
「反撃に出る」
「そしてその攻めて来た敵を叩く」
「そうするのですね」
「そうして戦うやり方もある」
 攻めて来た敵のその限界点に達したところを攻めるそれもというのだ。
「敵に勢いがある時に攻めてもだ」
「はい、敗れますね」
「こちらが劣勢なら」
「それならですね」
「そうなるからだ」
 だからだというのだ。
「ここはだ」
「はい、あえてですね」
「敵に臨界点まで達ったせて」
「そしてですね」
「攻めるのですね」
「それはあるが」
 それでもろいうのだ。
「アッディーン大統領だ」
「それを見抜いている」
「だからですね」
「ここで、ですか」
「補給を優先させましたが」
「そちらを」
「補給を軽視しては勝てない」
 絶対にというのだ。
「だからだ」
「そうしてきますか」
「ここはあえて」
「そうしてですか」
「次の戦闘に備えますか」
「しかもだ」
 シャイターンはさらに言った。
「今の我が軍は攻勢に出たくともな」
「それでもですね」
「軍の再編中です」
「予備戦力を動員して」
「その最中です」
「戦力が不十分だ」 
 はっきりと言い切った。
「今の我が軍はな」
「それで攻撃を行えば」
「返り討ちに遭いますね」
「今のオムダーマン軍にそうしても」
「確実にそうなりますね」
「そうなることがわかっているからだ」
 それ故にというのだ。
「今はだ」
「はい、攻撃を行わず」
「そのうえで、ですね」
「戦力の再編成に集中しますね」
「戦闘ではなく」
「攻撃出来るべき時に行う」
 そうすることがというのだ。
「戦争の基本だな」
「出来ない時にすれば」
「もうそれは愚かな結果になります」
「敗北に直結します」
「そうなってしまいます」
「そうだ、それを見誤って敗れた者は多い」 
 人類の歴史においてだ。 
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