ハッピークローバー
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第百三十九話 姉の忠告その二
「用心は必要よ」
「平和なのに」
「幾ら平和でもね」
「住んでる団地の中でも」
「学校でよく言われるでしょ」
姉は妹にこうも言った。
「八条学園世界中から人来るし」
「物凄く治安がいいってね」
「治安の悪い国はお昼にご近所を一人でもよ」
「あっ、ヨハネスブルグから来た娘いるけれど」
富美子は南アフリカのこの街から来た友人の話をした。
「車でもね」
「ちょっと停まると強盗が来るでしょ」
「何か核戦争後の世界みたいだって、大きな鼠もいて」
「そんなところもあるし平和な日本でもね」
「用心は必要ね」
「おかしなのは何処でもいるのよ」
妹に真顔で話した。
「切り裂きジャックみたいなのがね」
「今度はイギリスね」
「ああいうのは何処でもいる可能性あるから」
「夜に女の子の一人歩きは駄目ね」
「だから車で送るわ」
「エッちゃんの部屋がある棟まで」
「そうするから」
だからだというのだ。
「待っていてね」
「それじゃあね」
姉妹でこう話してだった。
富美子は実際に美奈代に車で送ってもらった、そして越智に彼の部屋で話すと彼はピザを食べつつ言った。
「いいお姉さんだな」
「私の為にそうしてくれて」
「確かに日本治安よくてな」
富美子もピザを食べるのを見つつさらに言った、酒はビールでつまみはピザ以外には茹でたソーセージもある。どれも安売りだから買ったものだ。
「この団地も平和にしても」
「用心は必要ね」
「この団地の人全員がいい人なんてな」
そうであることはというと。
「やっぱりないだろ」
「何か千人に一人の割合でとんでもない人いるのよね」
富美子はビールを飲みつつ応えた、二人でビール缶やつまみを置いたちゃぶ台を囲んで座布団の上に座っている。
「どんな悪いことをしても平気な人」
「そうだよ、そんな奴がいるからな」
「用心は必要ね」
「これ冗談じゃなくてな」
越智は真顔で話した。
「遊びで人を嬲り殺す奴だってな」
「いるわよね」
「サイコ殺人とかな」
「さっきお姉ちゃんに切り裂きジャックのお話言われたけれど」
「ああいうのいるんだよ」
世の中にはというのだ。
「当然日本だってそうした話あるしな」
「サイコ殺人ね」
「それも連続でやるな」
猟奇的な殺人をというのだ。
「殺人鬼がいるんだよ」
「世の中には」
「かっぱらいもいたら痴漢もいるしな」
「だから女の子一人だとなのね」
「夜道は歩くものじゃないんだよ」
「お姉ちゃんの言う通り」
「そしてな」
越智はさらに話した。
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