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新人も経験を積むと

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第二章

 何処にどのテーブルがあるか完全に覚えて店のメニューもだった。
 覚えて接客も板についてレジも慣れてだった。
「小川さん慣れたわね」
「はい、自分でも思います」
 麗子に見せの中で答えた。
「最初の頃と比べたら」
「私だって最初はそうだったのよ」
 麗子は彩花に笑って話した。
「本当にね」
「右も左もわからないで」
「戸惑ってばかりだったけれど」
 そうだったがというのだ。
「けれどね」
「今はですね」
「店長さんにも頼りにしてもらってるし」
「私もそうなりますか」
「きっとね。誰も最初は何も出来ないけれど」
「やっていってですね」
「経験を積んでいってね」
 そうしてというのだ。
「出来る様になるのよ」
「そういうことでね」
「だから今日もね」
「はい、頑張っていきます」
 店の制服姿、メルヘンな感じのブラウスと膝までのスカート姿で応えた。そうしてアルバイトも励んでいき。
 やがて新入りの高校生の娘の教育係になったが。
「あの娘いつも小川さんのこと言ってるわ」
「そうなんですか」
「お仕事が出来て教え方も凄くわかりやすいって」
 麗子は彩花に笑顔で話した。
「言ってるわ」
「そうなんですね」
「そうなのよ」
「私入ったばかりの時は何もわからなかったですが」
「今はそう言われてるわ」
「やっていってるからですよ」
「そう、本当に最初は何もわからなくても」
 それでもというのだ。
「やっていったらね」
「経験を積めばですね」
「そうなるのよ」 
 こう彩花に言った、彩花はその話を言われてからこの日もアルバイトに励んだ。そして家で母にこのことを話すと笑顔で言われた。
「そう、やっぱりやっていくことよ」
「経験を積むことね」
「そうしていったらよくなるのよ」
「最初は何もわからなくても」
「わかってきて出来る様になって」
 そうしてというのだ。
「教えられも出来るのよ」
「私でもなのね」
「誰でも何でもね」
「そうなるのね」
「そのことがわかったわね」
「ええ、よくね」 
 母の言葉に笑顔で頷いた、そうして自分もそう考え言う様になった。誰でも最初は何も出来ないがやっていくと出来る様になると。


新人も経験を積むと   完


                     2024・8・18 
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