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有名インフルエンサーになった

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第一章

                有名インフルエンサーになった
 OLの黒田陽花里はインスタグラムをはじめた、その時に一緒にユーチューブやフェイスブックもはじめたが。
「家族を映してるの」
「そう、この娘をね」
 家に来た職場の同僚で友人である万永菖蒲に話した、見ればそこには水槽の中のツノガエルがいる。陽花里は小柄で黒髪をロングにした垂れ目の大人しそうな外見で菖蒲はすらりとした長身で茶色の神をセミロングにしていて狐を美形にした様な顔である。
「マリアンちゃんね」
「蛙をなのね」
「そう、そうしたら面白いと思って」
 それでというのだ。
「この娘の活動記録をね」
「インスタにあげて」
「つべでもフェイスブックでもね」
「それでエックスでもなのね」
「宣伝してるの」
 そうしているというのだ。
「最近ね、そうしたらね」
「どうなの?」
「フォロアーの人あっという間に増えて」   
「人気出てるの」
「そうなのよ」
「よかったわね、まさかね」
 菖蒲は陽花里に笑顔で話した。
「あんたが有名インフルエンサーになるなんてね」
「私が?」
「ええ、よかったわね」
「いやいや、私じゃないでしょ」
 光は右手を横に振って笑って否定した。
「インフルエンサーは」
「あんたのチャンネルでしょ」
「だって私映ってないから」
 だからだというのだ。
「映ってるのはね」
「その娘だから」
「そう、マリアンちゃんだから」
「ゲコ」
 その彼女も鳴いてきた、陽花里はその声も聞いて言った。
「この娘が出てね」
「人気が出ているから」
「私はあれよ」
 菖蒲に笑ったまま話した。
「言うならマネージャーね」
「そうなるのね」
「広告収入もね」
「入ってるわね」
「そうなったけれど」
 それでもというのだ。
「あくまでね」
「インフルエンサーはなのね」
「マリアンちゃんでね」
「あんじゃじゃないの」
「だからアイコンもね」
 これもというのだ。
「私じゃなくてね」
「その娘なのね」
「そうなの。広告収入は私の通帳に入るけれど」
 それでもというのだ。
「あくまでね」
「その娘がなのね」
「メインだから」
 それでというのだ。
「水槽とかご飯はね」
「いいものにしてるのね」
「そうよ、この娘が収入稼いでるから」
 だからだというのだ。
「ちゃんとね」
「還元してるのね」
「あと寄付もね」
 これもというのだ。
「してるわ」
「あら、そうなの」
「私が稼いでる訳じゃないから」
 だからだというのだ。
「そうしたこともね」
「しないって思ったの」
「そう、だからね」
 そう考えてというのだ。
「そうもしてるの」
「そうなのね」
「駄目かしら」
「いや、いいわよ」
 菖蒲は一も二もなく答えた。
「随分いいことしてるじゃない」
「そうかしら」
「ペットをSNSであげてね」
 陽花里の様にというのだ。 
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