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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その六十二

「私としては閣下のお考えにです」
「賛成か」
「はい、進軍を止めてもです」
「ここはだな」
「補給と整備の状況を再編成し」
 軍全体のそれをというのだ。
「そしてです」
「再び進軍だな」
「むしろこの五日です」
「我が軍は予想外の進軍を行えたな」
「ティムールとの国境を突破し」
「第二次防衛ラインも突破してな」
「敵の領内深くに侵攻しています」
 そうなっているというのだ。
「僅か五日で」
「そうだな」
「これだけでもです」
「予想外だ」
「それもかなりの」
 サリールも言うことだった。
「そう言っていいです」
「私もそう思います」 
 ムーアも言ってきた。
「これまでのところです」
「進軍は順調でな」
「はい」
 まさにというのだ。
「むしろこれ以上欲を出してはです」
「失態を犯しかねない」
「そしてその失態がです」
 ムーアはさらに話した。
「補給の不足です」
「前線のな」
「そうなりかねません」
 まさにというのだ。
「私にしてもです」
「そうも思うな」
「あまりにも速い進軍はです」
「やはり補給が追い付かなくなる」
「それが一瞬でも生ずれば」
 その時はというと。
「シャイターン主席ならです」
「衝いてくる」
「そうしてくる御仁ですので」
「だからだな」
「はい」
 まさにというのだ。
「ですから」
「今はだな」
「基地を設けましょう、そして」
「進軍は一時停止だな」
「そうしましょう、もうすぐ今の状況での補給の限界に達します」
 進軍の状況がというのだ。
「そうなります」
「そうなってはな」
「そこを衝かれるので」
「あらたな足掛かりの設立か」
「それにかかるべきかと」
「貴官もそう考えるな」
「はい」
 一言での返事だった。
「私も」
「他に意見はあるか」
 アッディーンはムーアの意見を聞いたうえで他の軍司令や幕僚達に問うた。
「このことについて」
「では閣下、ここはです」
 ラシークが幕僚の重鎮として言ってきた。
「賛成の意見と反対の意見を」
「まとめるか」
「何故賛成か何故反対か」
「それぞれ意見を聞いてな」
「はい、そしてです」
 そのうえでというのだ。 
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