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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その六十

「諸君等はどう思うか」
「そろそろとです」
 アルマザールは鋭い目で言ってきた。
「考えていました」
「この話が出るとか」
「懸念されてくるとです」
 その様にというのだ。
「考えていましたが」
「私から言うとはか」
「そう思うより速かったです」
「この話が出ると思ってそしてか」
「閣下もお考えで」
 そしてというのだ。
「それで、です」
「言うと考える前にか」
「丁度その前に」
 まさにというのだ。
「閣下が言われました」
「そういうことだな」
「少しの差でしたが」
「その少しの差が大きいな」
「戦争は時として一瞬の動きの差で変わります」 
 アルマザールはこれまでの自分の戦場での経験から話した、この辺り叩き上げの人物らしいと言えた。
「どちらが速いかで」
「その通りだ」
「決断は速く」
「そして決断したならだ」
「即座に動くことですね」
「それでこそだ」
 まさにというのだ。
「戦争は勝つな」
「では閣下は」
「ここで決断してな」
「即座にですね」
「足掛かりの拠点を設ようかとだ」
 占領地の中にというのだ。
「そう考えている、それは設けるべきかまたその場所は」
「何処かですね」
 マトラがその隻眼を光らせて言ってきた。
「それが問題ですね」
「まずは設けるべきかどうかだが」
 アッディーンはその目を鋭くさせて列席者達に問うた。
「諸君等はどう思うか」
「私はこのまま進めるとも思っていますが」 
 ハルシメルがその巨体で言ってきた。
「しかしです」
「それでもだな」
「はい、補給が万全であれば」
 それならとだ、アッディーンに答えた。
「それで、です」
「越したことはないな」
「しかもシャイターン主席が復帰したのですね」
「間違いない」
 アッディーンも答えた。
「そのことはな」
「はい、それではです」
「シャイターン主席が戻ったならだ」
「迂闊に進めば」
「少しでもそうすればだ」
「敗れます」
 自分達の方がというのだ。 
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