金木犀の許嫁
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第三十話 夢で会ってその四
「節度があって」
「無名の芸者さんとだけですか」
「そう、そうした人は誰も相手の人がいないから」
「お妾さんにしている人がですね」
「だから遊んでもね」
そうしてもというのだ。
「揉めない人とだけね」
「遊んでいたんですか」
「そうした木使いもしていたのよ」
「権力あるからやりたい放題じゃなかったですね」
「そうした人でね」
それでというのだ。
「人妻さんとか学生さんにはね」
「声をかけないですか」
「人妻さんをどうとかってスキャンダルあったけれど」
「実際はなかったんですね」
「だから節度のある人だから」
桁外れの女好きでもというのだ。
「だからね」
「それで、ですね」
「そうしたことはしないで」
それでというのだ。
「白華ちゃんに勉強頑張れって言ってね」
「お別れでした」
「そうしたのよ」
「そうですか」
「だから余計にいいのよ」
「女好きでもですね」
「節度があるのがね」
しかも権力者であってもだ。
「痛快な人よ」
「面白い人ですね」
「ただ有能であるだけでなくてね」
「面白い人でもあったんですね」
「もうね」
真昼はこうも言った。
「大河ドラマにも出て欲しいわ」
「いいわね」
夜空は姉の言葉に笑顔で応えた。
「物凄く面白そうね」
「もう明治もね」
「昔だし」
「だからね」
「大河ドラマでもいいわね」
「西郷さんが主役になったのなら」
西郷隆盛、彼がというのだ。
「それならね」
「伊藤さんもいいわね」
「同じ時代の人だしね」
「お二人顔見知りだったし」
「だからね」
それでというのだ。
「あの人もね」
「台がドラマの主人公になるべきね」
「そうだと思うわ」
「そうよね、かなり面白そうよね」
「色々ピンチもあるしね」
「長州藩の時とか」
「長州征伐かあったし」
当然彼もこの戦いに巻き込まれている。
「イギリスに行ったり憲法作ったり」
「本当に何かとあったわね」
「それにね」
真昼はさらに話した。
「日清戦争と日露戦争もね」
「あったわね」
「徳に日露戦争の頃なんて」
「もうどうなるか」
「日本自体がね」
まさにというのだ。
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