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博士の挑戦状

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第百七十話

              第百七十話  ブリーフというと
 小田切君と下着の話をしつつ彼が選択ものを干す様子を見守りつつだ、ライゾウはタロに対してこんなことを言った。
「そういえばブリーフっていうとな」
「あの下着がどうしたの?」
「いや、ブリーフ13っているだろ」
「あのコートの下はブリーフ一枚のスナイパーだね」
「裸ネクタイ、黒靴下に革靴でな」
「お風呂入ったことも下着洗ったことのない」
「あの変態スナイパーな」 
 その彼のことについて言うのだった。
「ブリーフのイメージダウンに貢献してるよな」
「変態だからね、あの人」
 タロはそれ故にと応えた。
「もう完全に」
「あの恰好で街歩くしな」
「本物の変態だね」
「あの人が出て来てブリーフの売り上げ減ったって?」
「そうみたいだね、ライゾウの言う通りにね」
「ブリーフのイメージダウンに貢献してるよな」
「そうだよね」
「洗えよ」
 雷蔵は冷めた目で言った。
「下着はな」
「毎日替えてね」
「ずっと穿いてるなんてないだろ」
「絶対にね」
「あの人言ったら来るよ」
 小田切君は暫く洗濯に専念していたが二匹に顔を向けて言ってきた。
「呼べばね」
「出て来るのかよ」
「それもあの恰好で」
「神出鬼没でね」
 そうした人間でというのだ。
「それでね」
「話をするとか」
「やって来るんだ」
「だからこれ位でね」 
 彼の話はというのだ。
「終わってね」
「ああ、じゃあな」
「これで終わるね」
 二匹もそれならと頷いた。
「これでね」
「そうするな」
「うん、ちなみにブリーフ派の人は減ったね」
「今はか」
「そうなんだね」
「うん、あの人の影響じゃなくて」 
 そうでなくというのだ。
「ボクサーが出てね」
「ああ、そっちが取って代わったか」
「そうだったんだ」 
 二匹もそれでと頷いた、そうした話をしつつ小田切君が洗濯ものを干していくのを見届けたのだった。


第百七十話   完


                  2024・5・26 
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