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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その五十二

 整備士官の一人、大尉の階級にある者が同じ整備士官の少尉に言っていた。
「どうもな」
「はい、艦載機の整備が」
「この艦は遅れているな」
「そうですよね」
「これはな」
 大尉は難しい顔で言った。
「もう昼夜兼行でいくか」
「そうしますか」
「ああ、総員交代でな」
「そうしますか」
「休日になっていて休んでる奴もな」
 艦内でそうなっている者もというのだ。
「もうな」
「働いてもらって」
「それでいくか」
「そうしますか」
「整備長も困ってるしな」
 自分達の乗艦もというのだ。
「艦載機の整備が遅れてるってな」
「やっぱり動ける機体は多い方がいいですしね」
「今は目標の八割位だからな」
「八割だと」
「何時戦闘になるかわからないんだ」
 このことがあるからだというのだ。
「それで八割だとな」
「正直まずいですね」
「だからな」
「もう総員でいきますか」
「暫くな、そもそも休日っていってもな」
「艦内ですからね」
 少尉も言った、二人共二十代と思われるが少尉の方が数歳若い感じだ。幼年学校を出てすぐと思われる外見である。
「ですから」
「ああ、実質な」
「休日でないのと同じですね」
「当直かそうでないか位だな」
 艦内で休日でもというのだ。
「もうな」
「だからですね」
「休日の整備員もな」
「これからはですね」
「働いてもらうか」
「そうして整備を急がせますか」
「勿論俺達もな」 
 士官である自分達もというのだ。
「当然だよ」
「休日返上ですね」
「そうするか」
「そうですね、満足できる状況になるまで」
「百パーセントになるまでな」
「そうすべきですね」
「ああ、それとな」
 大尉はさらに言った。
「うちの艦隊はまだ損害少なかったな」
「ええ、国境の二度の戦いでもここまで来るまででも」
 少尉はすぐに答えた。
「それでもです」
「まだな」
「はい、損害は少ない方です」
「三割位失ったけれどな」
「他の艦隊はもっと酷いですからね」
「八割失った艦隊もあるからな」
 これまでの戦闘でというのだ。 
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