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第6話「彼は観た」

 
前書き
 ネオ・代表05-1です。第6話「彼は観た」となります。
 どうぞ、ご覧ください。


 

 
 彼はいつものように、軍事拠点内で無人戦艦を操舵し、監視対象である星系を監視する任務に就いていた。

 監視対象であるその星系に価値はない。
 だが、その星系を監視しなくてはいけない。価値がない星系を、だ。

 何故、監視しなくてはならないのか?
 それは、彼が属する組織の上層部がそう決めたからだ。

 それなりの地位にある彼にすら開示されず、ただ監視のみと言い渡され、日々監視という仕事のみを無人戦艦を使い従事して来た。

 監視がメインなれど、監視対象である星系外縁部に行ったりもする。

 しかし、ある日の事だ。
 無人戦艦が空間の歪みを感知したのだ。

 無人戦艦という艦種は、有人戦艦を無人用に改装した艦である。
 しかし完全に無人という訳ではなく、遠距離で操舵するモデルの戦艦。
 その中でも、彼が操舵する艦は空間の歪みを探知するという、特別な艦。

 その特別な艦が探知した。

 直ぐに上層部へ空間の歪みについて報告し、その後は上層部より、【監視対象情報を閲覧可能レベルの地位】と辞令が下る。

 その地位に就いた彼は早速とばかり、過去は閲覧出来なかった極秘の情報を目の当たりした。

 目の当たりした彼は驚愕し、あぁ〜と、不思議と違和感なく受け入れている自分がいたことに気づく。
 思えば先代やそのまた先代も、かの星系を監視していたと聞いたことがあった。
 なるほど、上層部が監視対象とするだけのことはある。

 何せその監視対象となった星系は過去に【災害】と呼称される存在がおり、その存在は【星系と共にやって来た】という、あまりにも荒唐無稽であり衝撃的過ぎる事が記載されていたのだから。

 だが、そんな荒唐無稽な出来事が実際に起きた。
 
 過去に【災害】は己の軍勢を用いて、数え切れない程の文明を破壊した。
 そんな【災害】と【災害】の軍勢は彼が属する組織によって全て撃破されたが、その後も幾度となく【未知なる存在】が突如として監視対象と指定された星系に出現した。

 幸いにもその未知なる存在達は【災害】では無かったが、それでも【災害に匹敵】ないしは【災害になり得るのでは?】っとその成長に危機感を抱き、監視を行ってきた。

 そして本来であれば監視対象である星系に拠点を構築する筈だったが、【災害】が遺したとされる未知の技術により拠点の構築が今もなお出来ないでいた。

 その為その反応つまり空間の歪みを感知した際は1隻の無人戦艦を差し向け、脅威の根と認定された場合は艦隊を派遣し掃滅する。
 その繰り返しだ。

 感知した日、彼は無人戦艦を監視対象である星系へと差し向けた。
 
 彼は観た。
 …惑星軌道上に艦艇を遥かに上回る建造物が存在しているのを。

 彼は観た。
 …その建造物の周囲に戦闘艦と思しき艦艇が、多数存在していることを。

 口に溜まった唾をゴクリっと、彼は呑み込んだ。
 …1週間程前までは、あのような建造物は存在していなかった。
 ……【災害】?

 ………いやいや、そんな訳があるか。
 あのような存在が沢山居て堪るもんか、お腹いっぱい過ぎる。

 しかし、あの建造物にあの多数の艦艇は、【災害】が率いた軍勢ではないのは確かだ。
 【災害】は統一された軍勢である一方、この艦艇達は統一された艦ではないようで、多種多様のようだった。

 …新たに出現した【未知なる存在】、なのか?
 う〜ん、と腕を組み考えるが、分からないままだ。
 
 彼は自分のみで解決するのには限度があると判断し、帰還しようとする。
 その時だった。突如として、警報が鳴り響いたのは。
 
 うるさいうるさいっと警報音を止め、映像に目をやる。
 
 その映像には、【未知なる存在】の艦隊が此方に接近しようとしていた。
 
 彼は冷静さを忘れず、監視対象星系より無人戦艦を下がらせようとするが、あっ…と唖然となってしまい出来ないでいた。
 そう、…彼はうっかり主砲発射ボタンを押してしまったのだ。

 や、や、やってしまったー!?
 彼は両手を頭に置きそして抱えたと同時に、声高に叫んだ。

 主砲群から放たれた白いビームは前列にいる艦艇x4に真っ直ぐ向かっていき、命中していく。
 命中した艦艇達の内1隻を撃沈させ、残りの3隻を中破状態とした。

 ……あぅ。
 神は死んだ。何故かは分からない、そう唱えたかった。

 あぁもうっ、艦隊は迫ってくるしっ、相手の言語なんぞ知らんの当然だが通信やって来るしっ、本当にやってしまったー!?

 彼の心情を知らず、その艦隊は無人戦艦をコテンパンにしようと迫ってきており、射程距離に入ったのか、無人戦艦に向けて、主砲から砲弾を発射し、ミサイル艦からはミサイルを発射した。

 砲弾を使うって、なんて前時代的な未知なる存在だなぁ〜。
 誰だよ〜、このような状況を作ったのは〜、……ははっ、ハハハハハハっ…!
 
 …落ち着け、落ち着け、シールドを展開しつつ無人戦艦を下がらせればいいんだ。
 彼はヒッヒッフーっと深呼吸を繰り返し、無人戦艦に帰還命令の指示を出したが、またしても彼はやってしまう。

 …あっ、シールド起動し忘れたー!?

 その結果、攻撃をもろに受けてしまい、大破となっていてもおかしくはない状態と化してしまう無人戦艦。
 大破にも等しい状態と化した無人戦艦は、まともにシールドを展開する事すら無理で、その後は撃沈されてしまった。

 ……あぅ。
 そう光景を目の当たりした彼は、人に決して見せれない顔となり、シグナルロストと点滅して表示されるホログラムを注視していた。

 ……報告、しないと、……あぅ。
 彼は席を立ち、フラフラっとした足取りで、無人戦艦操縦室から退室した。

 後日、脅威と組織上層部より認定され、艦隊を派遣することが決定された。
 
 


 とある惑星の軍事拠点がある惑星から、400m級と600m級の戦闘艦で構成される艦隊が一斉に飛翔し、惑星を後にする。

 「ア〜、コマンダー。ソナーに感アリ、推定艦艇数ハ百隻、敵本隊カト思ワレマス。太陽系ノスリナム星宙域に進路ヲ取っテイル模様デス。ドウシマスカ?」

 「直グに司令部へ暗号通信ヲ出スンダ」

 「ア〜、今カラデスカ、コマンダー?」

 「馬鹿ナノカ?今カラデ、直グにダ!早クシロ!!」

 「馬鹿っテ酷ナ…」

 「喋っテイル暇ガアルナラ手ヲ動カセ!」

 「サー、イエッサー!」

 …その動向を、漆黒の艦影に監視されているとも知らずに……。

 現状公開な情報:【災害】

 【災害】は突如として、星系毎転移した。
 【災害】と【災害】が率いる軍勢により、数多の文明は壊滅的な被害ないしは破壊された。

 【組織】により、【災害】とその軍勢は撃破されたが、撃破に至るまで猛烈な戦いだと記載されている。

 そんな【災害】はどういった存在なのか、現在も【組織】は【災害】について議論している。

 
 〜〜〜ある日の出来事〜〜〜

 OOMコマンダーバトルドロイド「ギルド長閣下、瓜二つ惑星ノ軌道上にコノヨウナ建造物ヲ発見シマシタ」

 ギルド長「宇宙人のだなそうに違いない危険すぎる脅威だ破壊しろ」

 OOMコマンダーバトルドロイド「ナンテ早口ナンダ…」

 ギルド長「返事は?」

 OOMコマンダーバトルドロイド「ラジャラジャ!」

 〜〜〜ある日の出来事 完?〜〜〜 
 

 
後書き
 さてさていかがだったでしょうか。至らないところもあるかと思いますが、温かい目で観ていただけると嬉しいです。ご意見、ご感想お待ちしております。次回もお楽しみに!  
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