八条学園騒動記

「そうなるとです」
「思うばかりですね」
「お嬢様としても」
「左様です」　
　まさにというのだ。
「世の中そうした人もいると」
「まことに残念ですね」
「そう思うだけで」
「はい、しかし」　
　それでもともだ、セーラは話した、
「流石にこうしたです」
「長所が見られない人はですね」
「滅多に存在しないですね」
「貴方達もそう思いますね」
「はい」
「まことに」
　ラメダスもベッキーもまさにと答えた。
「稀有です」
「長所が見られない人なぞ」
「全くの無能であり」　　
「資格も技能もない」
「一切備えてこなかった」
「そして徳分もなのですから」
　そうであるからだというのだ。
「まさに生きていてです」
「何にもならなかった」
「そうした人ですね」
「人間の姿のまま餓鬼になる人は」
　それはというと。
「こうした人なのですね」
「左様ですね」
「そう言えますね」
「そうなりますね、最低と言ってもです」　
　それでもというのだ。
「まだ足りません」
「いや、私だってね」
　エイミーも嫌そうな顔で言ってきた。
「そんな人が餓鬼になるなら」
「布施餓鬼はですね」
「何があってもね」　
　それこそというのだ。
「ダンが言ってる通りにね」
「したくないですね」
「餓鬼ってそうした人がなるのよね」
「あまりにも浅ましく卑しい人が」
「だったらね」　
　それならというのだ。
「もうね」
「エイミーさんもですね」
「何があってもね」
　それこそというのだ。
「餓鬼になりたくないし」
「布施餓鬼もですね」
「しないわ」
「そうなりますね」
「人間だった頃感謝は」
「全くせず」
「そして誰かに何かすることも」
　エイミーはさらに話した。
「全くです」
「なかったのよね」
「はい」
「何度もお話してるけれど」
「そんな人になるのもね」
「嫌で」
「それでね」
　そのうえでというのだ。
「餓鬼になるのもね」
「お嫌で」
「なりたくないから」
　だからだというのだ。
「そこまで嫌だし」
「それでなのね」
「そう、本当にね」
「布施餓鬼もなのね」
「嫌で」
　そうであってというのだ。
「したくないわ」
「なりたくないまでにお嫌なので」
「ええ、そのままね」
「苦しんで欲しいですね」
「そう思うわ」
　こう言うのだった、そしてだった。
　そこにいる者達は誰も布施餓鬼はすまいと思った、それでだった。
　話は終わった、そのうえでセーラもその写真を収めた。そしてそのままお茶を飲みスイーツを食べたのだった。


餓鬼の姿　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０２４・５・９