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金木犀の許嫁

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第二十九話 質素な充実その六

「言ってるわ」
「そうですか」
「そうそう、学校の食堂でもあるわね」
 真昼は夜空の話を聞いて言った、その学校とは言うまでもなく自分達が通っている八条学園高胴部である。
「そうしたことが」
「そうよね」
「凄い美味しいメニューがね」
「安かったりするわね」
「私この前カツカレー食べたくて」
「そのカツカレーが安かったの」
「だからね」
 そうした時があってというのだ。
「それでね」
「そのカツカレー食べたのね」
「もうお弁当食べてたけれど」
 それでもというのだ。
「二時間目の後でね」
「お腹空いてたのね」
「そのこともあってね」
「カツカレー注文して」
「それでね」
「食べたのね」
「そうしたの」
 実際にというのだ。
「それで美味しい思いしたわ」
「そうなのね」
「テニス部って身体動かすでしょ」
「テニスって激しいスポーツで」
「それでね」
 そうしたものでというのだ。
「二時間目の後にお弁当食べて」
「お昼は食堂ね」
「それでおやつもね」
「食べてるのね」
「まるでスペインの子みたいに」
「一日五食ね」
「そうして食べないと」
 そうでないと、というのだ。
「育ち盛りだし」
「テニスは出来ないのね」
「本当に激しいスポーツだから」 
 左右に絶え間なく動くからだ、テニスは優雅な様に見えて消費カロリーはかなりのものであるのだ。
「基礎トレーニングもかなりするし」
「それでなのね」
「食べないともたないから」 
 だからだというのだ。
「お弁当食べて」
「食堂でもなのね」
「食べるの」
 そうだというのだ。
「おやつもね」
「それでカツカレー食べたのね」
「そうしたわ、それが美味しくて」 
 そのカツカレーがというのだ。
「よかったわ」
「そうだったのね」
「いや、こうした時はね」
「即断即決ね」
「そうしないと」
 さもなければというのだ。
「後悔するわ」
「そうよね」
「それで夜空ちゃんの言う通りにね」
「私の?」
「いいものが特価とか半額とかだと」
 それならというのだ。
「もうね」
「迷ったら駄目よ」
「そう、その辺りの見極めよね」
「大事なのは」
「それはもうね」
 それこそとだ、真昼も言うのだった。 
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