ドリトル先生と奇麗な薔薇達
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第四幕その八
「僕は素直に娯楽、芸術としてね」
「歌劇を観て聴いて楽しんで」
「そして学ぶね」
「そうしていくね」
「先生は」
「そうしていくよ」
まさにというのです。
「僕はね」
「それが先生だよ」
「偏見なく学ぶ」
「それも素直に」
「そう出来るから凄いよ」
「若しね」
「だから次の論文も」
薔薇の騎士についてのそれもというのです。
「しっかりとね」
「偏見なくだね」
「学んでいくね」
「そうするね」
「麻酔の論文の後で」
「そうするよ、あと僕あの頃のオーストリア好きだよ」
先生はにこりと笑って作品の舞台のお話もしました。
「ハプスブルク家のね」
「マリア=テレジアさんの時代だね」
「あの偉大な女帝さんの」
「オーストリアを守り繁栄させて」
「十六人のお子さんがいた」
「政治家としても君主としても奥さんとしても偉大で」
そうした人でというのです。
「僕も好きな人だよ」
「本当に偉大よね」
「素晴らしい人だよ」
「ハプスブルク家を代表する人の一人だね」
「欧州随一の名門と言われている」
「日本の皇室は別格として」
この皇紀にして二六〇〇年以上の歴史を持つこのお家はというのです、先生もこう言うしかありません。
「ハプスブルク家はね」
「欧州きってのお家だね」
「もう何と言っても」
「それこそ」
「そうだよ、イギリスのウィンザー家はね」
イギリス王家のお話もします。
「元々はハノーヴァー家だったね」
「一次大戦の頃に改名したね」
「神聖ローマ帝国の選帝候だったね」
「帝国の中でのかなりの有力諸侯で」
「そうしたお家だったね」
「その神聖ローマ帝国が」
まさにこの国がというのです。
「ハプスブルク家が皇帝だったね」
「そうそう」
「そうだったんだよね」
「あの国が皇室だったね」
「一応皇帝はその選帝侯の人達が選ぶことになっていたけれど」
「実質的に世襲で」
「ハプスブルク家が皇室だったね」
「ハノーヴァー家がイギリス王家になった頃も」
まさにその頃もというのです。
「丁度ね」
「ハプスブルク家が皇帝だったね」
「こう言ったら何だけれど臣下よね」
「ハプスブルク家の」
「今のイギリス王家って」
「元はね、そうしたことを見ても」
「ハプスブルク家は別格よね」
「何と言っても」
「欧州の中で」
「あとはブルボン家がね」
今度はこのお家のことをお話しました。
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