ハッピークローバー
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第百三十六話 閉会式の前にその八
「もうね」
「そうなのね」
「そこがね」
「そうなのね」
「自覚なかったの」
「ちょっとね」
「いや、自覚ないって」
留奈はそのことにやや呆れてかな恵に言った。
「そこまでして」
「駄目かしら」
「駄目じゃないけれど」
それでもというのだ。
「鈍感っていうかね」
「そうしたものなの」
「ええ、あんたそうしたところあるわね」
「自覚なく」
「そう、鈍感なところがね」
「そうなのね」
「まあ鳴海っちと仲悪くないどころかね」
むしろというのだった。
「仲良いから」
「いいのね」
「ただ他の人にはね」
「鈍感はよくないわね」
「やっぱりね」
そのことはというのだ。
「だからね」
「気を付けることね」
「そこはね」
こうかな恵に言うのだった。
「宜しくね」
「それじゃあね」
かな恵もそれならと頷いた。
「気を付けるわ」
「そうしてね」
「これからは」
「ただかな恵って優しくて面倒見いいから」
理虹は彼女のそうした部分を言った、実際にかな恵は昔からそうした性格とのことで評判はいいのだ。
「嫌われてないわよ」
「そうだと嬉しいわ」
「鈍感化も知れないけれど」
留奈の言う通りにというのだ。
「そうした娘だからね」
「嫌われてないのね」
「今県内でも底辺の高校に行った大谷なんて」
「性格悪かったわね」
「大谷翔平さんと違ってね」
苗字は同じだが、というのだ。
「その性格はね」
「全然違っててね」
「物凄く底意地悪くてね」
「弱いものいじめ大好きでね」
「皆から嫌われて」
「近寄る人いなかったわね」
「あいつね」
理虹は汚物を見る目で話した。
「喧嘩強い子に自分が嫌いな相手のこと囁いて」
「ああ、その喧嘩強い子に攻撃させてたのね」
「そうだったのよ」
「卑怯ね、やるならね」
かな恵も嫌そうな顔で話した。
「自分がね」
「やればいいでしょ」
「自分も意地悪して」
「それでね」
「そんなこともしてたのね」
「そんな奴だから」
それ故にというのだ。
「皆からよ」
「嫌われて」
「都合のいいことに成績悪過ぎて」
「うちの高等部に進学出来なくて」
「底辺高でね」
「今どうしているのかしら」
「ああ、何でもね」
一華もその輩についての話に入った。
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