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姉御が彼女

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第二章

「本当にな」
「駄目だな」
「カツアゲとか万引きとかな」
「いじめだってな」
「そんなの常識だからな」
「ヤンキーでもしたら駄目だな」
「姉御って呼ばれてもだよ」
 瞳は自分からそう言われていることも話した。
「あたしは悪いことしないよ」
「俺もそうだよ、それで授業も部活もな」
「ちゃんと出ないとな」
「全くだな」
「ヤンキーはファッションだよ」
 あくまでというのだ。
「それで法律はルールはな」
「ちゃんと守る」
「傾奇者でもな」
 安土桃山時代にそう呼ばれた者達でもというのだ。
「ちゃんとな」
「真面目に生きていたしな」
「前田慶次さんがそうだな」
「あたし前田慶次さん尊敬しているんだよ」
 命は強い声で語った、見ればプレイしているゲームは彼が登場している戦国系ゲームである。恋せよと言っている。
「だからな」
「尚更だな、俺もあの人好きでな」
「真面目にしてるよな」
「ファッションはヤンキーでもな」
「そうだよ、だからこれからもな」
「人の道は守ってか」
「ヤンキー、姉御でいるよ」
 そうしていくというのだ。
「ずっとな」
「じゃあ俺もそのお前の彼氏でいいか」
 桐木はその瞳にゲームをしつつ問うた、彼は赤い鎧の大河ドラマの主役にもなった槍を使う主人公を使っている。
「そうしていいか」
「あんたが愛想尽かさないか浮気しない限りね」
「ああ、それじゃあな」
「一緒にいるね」
「こうしてな」
「キスとかは高校卒業してからだよ」
「わかってるよ」
 こうした話もしてだった。
 二人でゲームをしていった、そのスタイルも真面目であった。そうして。
 瞳は授業も部活も出て悪いことをしないヤンキー、姉御でい続けた。桐木も同じだった。そして二人は高校を卒業すると共に就職しやがて結婚したが。
 それからも真面目に働き子育てもしていった、外見はそのままだったが二人の間に生まれた娘の華母親そっくりの顔だが髪の毛は父の地毛の茶色の彼女が笑顔で言った。
「パパもママもいい人達よ」
「ヤンキーなのに?」
「それでも?」
「悪いことしないで家事もお仕事もちゃんとして私を大事にしてくれるね」
 こう言うのだった、そしてその娘からも慕われ二人は幸せな生活を送った。高校時代と変わらないまま。


姉御が彼女   完


                     2024・7・24 
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