故郷は大空にあり
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プロローグ
「ここがあなたの鎮守府です。」
「ありがとうございます」
「あとはマニュアルにありますので、確認してください。」
「了解です。」
「では。」
俺を送ってくれた人が戻る。
そして俺は、大きな扉を開け
鎮守府の中に進んでいく。
そして執務室へとたどり着く。
大きなドアを開け、広々とした部屋が視界に入るが、
今はそれを使う人はまだ居ない。
この場所に踏み入るのは、俺が鎮守府で最初だ。
「っと…マニュアルを確認して…と」
マニュアルに書いてある限りは、空娘建造には
媒体が必要で、この鎮守府にある建造ドックには空娘
建造専用のものであると書いてあった。
「媒体…取りに行くか」
俺は鎮守府の外に出て、砂浜と向かった。
ジリジリとした日光…湿気が多く、ジメジメと熱が
体全体を襲う。
ザアザアと優雅な音を立てながら、波が打ち立てる。
綺麗なの海。
透き通った海、とても綺麗。
大きな鎮守府を後ろにして、俺は媒体を探す。
少し昔話でもしようか。
俺の爺さんは空軍所属だったのさ。
前深海棲艦対戦の時、エースと呼ばれ、
敵を倒して行った。そんな対戦も終わりごろ、
急に敵にとても強いやつが現れたのだと。
獣のようにそいつは味方をバッサリと喰っていった。
多分、動物が天敵に対して感じる本能的な恐怖…みたいな?
感じだったのかもしれない。
爺さんは結局空で戦死した。爺さんはいつも、
自分の故郷は空にある。飛び続けることが、唯一の生きがいだよ。
とか、言っていたなぁ。
昔話はこれで終わり。
俺も、爺さんみたいな人になりてぇよ…爺さん、天国で、待ってるだろうなぁ…
しばらく砂浜を歩き回っていると、太陽の光を反射する眩い物体を見つけた。
よし、これで良さそうだ。とても。
建造はなれないけど、恐らくこれでいける。
よし、もうちょっと媒体も欲しいが、今は一機あるだけでも十分な戦力。
とりあえずこれで、防衛自体はできるようになるはずだ。
これはなんの機体だろうか。俺は軽い足取りで鎮守府へと向かった。
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