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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その十一

「アッディーン大統領は動きを変える」
「これまでは攻めてきましたが」
「それを変えてきますか」
「そうしてきますか」
「必ずな、やはり私の相手が出来るのは彼だけだ」
 アッディーンだけだというのだ。
「だから彼はだ」
「閣下が直接率いている軍に来ますか」
「即ち第一軍に」
「ご自身が率いている軍を率いて」
「そうしてきますか」
「必ずな、彼も第一軍を率いているが」
 オムダーマン軍第一軍である、尚オムダーマン軍の軍服は青ティムール軍は赤なのでそれぞれ青軍赤軍と呼ぶ者もいる。
「第一軍同士でだ」
「戦うことになりますか」
「五日前までの様に」
「そうなりますか」
「必ずな、しかしな」
 ここでシャイターンはこうも言った。
「私と彼は互角でもだ」
「それでもですか」
「まだ問題がある」
「そうなのですか」
「動員はかけたが」
 今そうしたがというのだ。
「やはり旧式の艦艇と予備役の兵達だからな」
「戦力は落ちますね」
「どうしても」
「そこが問題ですか」
「そうだ、これまで我が軍は精兵だった」
 つまり強い軍だったというのだ。
「私が訓練を施してきたしかも歴戦のな」
「ですがその精兵がですね」
「この五日間で大きく失われた」
「このことが痛手ですね」
「我々にとって」
「かなりな、兵は揃えられるが」
 それでもというのだ。
「しかしだ」
「質は落ちる」
「それが問題ですか」
「どうしても」
「そう仰るのですね」
「優れた将が率いる軍勢は自然と強くなる」
 名将が采配を行えばというのだ。
「そうなる、だが優れた将が精兵を率いればな」
「尚更強いですね」
「並の軍勢よりも」
「そうなりますね」
「必然的にな、その精兵が失われたことはな」 
 オムダーマン軍の攻撃によってというのだ。
「どうしてもだ」
「大きい」
「閣下にとってはそれが気掛かりですか」
「そう言われますか」
「幾ら戦争を知っていてもだ」
 サハラの予備戦力は大抵そうだ、戦乱の地域であるので軍務に就くと即座に戦場に出る。それで予備役に入った彼等も戦争を知っているのだ。サハラの予備役は最初からそうである者はいても大抵は軍務に就いてからそうなるのだ。 
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