金木犀の許嫁
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第二十七話 実家に着いてその六
「私も次はね」
「鳥貝を食べますか」
「そうするわ、それでね」
真昼は白ワインも飲んだ、そしてまた言った。
「お酒もね」
「飲むことですね」
「この白ワイン本当に美味しいから」
だからだというのだ。
「どんどんね」
「飲むといいですね」
「ええ、飲んでね」
実際にというのだ。
「美味しいから」
「甘いですね」
「凄くね、ワインって銘柄によって味が違うでしょ」
「全然違いますね」
白華も確かにと頷いた、
「本当に」
「辛口もあればね」
「甘口もありますね」
「これランブルスコだけれど」
「ランブルスコ?」
「イタリアのワインなの」
発泡性のそのワインを飲みつつ話した。
「モデナの方のね」
「サーキットで有名な」
「そう、あそこのワインで」
それでというのだった。
「赤もロゼもあるけれど」
「甘いですか」
「そう、かなり甘いから」
だからだというのだった。
「飲んでね」
「わかりました」
白華は真昼の言葉に頷いてだった。
実際に飲んでみた、そのうえでこう真昼に言った。
「確かにです」
「甘いでしょ」
「それに飲みやすくて」
「美味しいでしょ」
「凄く」
ランブルスコの白を飲みつつさらに言った。
「いいワインですね」
「イタリアもワインの本場だしね」
「フランスと並びますね」
「あとスペインとね」
「ワインといえばですね」
「欧州だとかなり有名よね」
「ドイツはモーゼルで」
白華はこのワインの名前を出した。
「ハンガリーだとトカイですね」
「トカイは高いから」
それでというのだった。
「そうはね」
「飲めないですね」
「一年の知り合いの娘でハンガリー人の娘いるけれど」
「そのトカイの国ですね」
「高いものはね」
トカイも種類は色々で安いものもその逆のものも色々あるのだ。
「とことんね」
「高いですか」
「そうなのよ」
「流石にトカイは無理だぞ」
秀樹が笑って言ってきた。
「高いものはな」
「そうよね」
「一般庶民じゃな」
上の娘にこうも話した。
「とてもな」
「高いトカイは買えないわね」
「ああ、もう王様が飲むものだぞ」
こうも言うのだった。
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