仮面ライダーギーツ 運命の瞬間
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第五十一章
「これからもですね」
「ここで、ですね」
「戦いの準備をしまして」
「戦うことになりますね」
「そうなりますから」
だからだというのだ。
「今はです」
「ここでゆっくりとですね」
「休んで下さい」
「シャンパンでいいな」
浮世は酒の話をした。
「酒は」
「おいおい、シャンパンって」
「気にするな、大したものじゃない」
「いや、大したものだろ」
桜井は軽く言う浮世に戸惑いを隠せない顔で言い返した。
「シャンパンって」
「ここにいれば好きなだけ飲める」
「そうなったのか」
「前からだ、食いものや飲みものは何時でもあったな」
「そういえばそうか」
「だからだ」
浮世はさらに言った。
「シャンパン位はだ」
「幾らでも飲めるか」
「それも上等のものをな」
「何か嘘みたいだな」
「お前にとってはそうか」
「当たり前だろ、ちょっと前までずっと就職先探してたんだぞ」
桜井は浮世にやや口を尖らして反論した。
「それで今だってな」
「収入はあまりか」
「そうだよ、お前と比べたらな」
トップスターに戻る浮世と、というのだ。
「もうな」
「人の世ではそうだが神だった者の目から見るとな」
「何でもないか」
「そうだがな」
「俺はずっと人間だからそう思うんだよ」
これが桜井の反論だった。
「そこはな」
「そういうことか」
「だからな」
それでというのだ。
「シャンパンなんてな」
「飲めないか」
「飲んでいいのかよ」
「俺がいいと言った」
浮世は微笑んで答えた。
「ここの主は俺だ、俺がいいと言えばな」
「いいんだな」
「そうだ、それなら駄目か」
「そこまで言うならな、しかし俺が買う酒も飲めよ」
「何だ、その酒は」
「ビールだよ」
桜井はその酒だと話した。
「缶のな」
「俺はビールも好きだ」
浮世も笑って答えた。
「そういうことだ」
「じゃあ買ってくるな」
「そして飲もうか」
「ビールもな」
「そして今はな」
「シャンパンか」
「飲むぞ、まずはスサノオに勝った風呂の後の祝いの次の祝いだ」
それで飲もうというのだ。
「祝いはもうしたがまただ」
「飲むか」
「ああ、美味いぞ」
「二人じゃないよな、飲むのは」
「ここにいるのは三人だ」
これが浮世の返事だった。
「ツムリもいる」
「そうだよな、けれどツムリさんは」
「おつまみを持ってきました」
そのツムリの声がした、桜井がその声がした方を見るとだった。
彼女がいた、両手にスライスされたチーズやサラミやクラッカーが置かれている盆がある。その盆を持っての言葉だ。
「お酒があればです」
「おつまみもですよね」
「そうですよね」
「それで持ってきました」
「これで揃った」
浮世はまた笑って話した。
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