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夢幻水滸伝

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第三百五十六話 東と西その十三

「誰も懐かしむことはない」
「死んで清々したとかですね」
「思われる、しかし友達が死んだら」
「悲しみますね」
「そう思った時にな」
「友達とわかりますね」
「そう言われたわ、そうかもな」  
 トウェインは遠い目になって話した。
「友達、絆はな」
「お互いが生きてる時はわからへんですね」
「それでどちらか一方が死んだ時にな」
「わかるのですね」
「そうかもな」
 遠い目になったまま話した。
「どうも」
「寂しい考えですね」 
 エリカはトウェインの話をここまで聞いてだ、実際にそうした顔になってそのうえで言ったのだった。
「それは」
「そやな、けど間違いか」
「そうも言えへんですね」
「人ってもん考えたらな」
「そうかも知れへんですね」
「そやな、わい等もな」 
 自分達もというのだ。
「そうかもな」
「今こうして仲間同士で」
「友達同士と思っててもな」
 そうであってもというのだ。
「それがはっきりわかるのはな」
「一方の人が死んだ時ですね」
「そうかもな」
「死んだ時ですか」
「人は絶対に死ぬ、そして死んだ時にな」
 まさにその時にというのだ。
「色々わかるかもな」
「死はただ一つの人生を終えるだけやない」
「そうかもな、それで話を変えるが」
 トウェインは実際にそうした。
「東部のことはな」
「メルヴィルさん達ですね」
 ミニーが応えた。
「戦は避けられへんですね」
「話し合いで決まるのはな」
「ないですね」
「まずはな」
 それこそというのだ。
「一戦交えてな」
「そこからですね」
「どうなるかでな」
 それでというのだ。
「これからや」
「戦力を集めて」
「戦うで」
「そうしますね」
「決戦が避けられへんねんやったら」
「戦うのみですね」
「そして戦うんやったらな」
 そうすると、というのだ。
「もうな」
「勝つだけですね」
「戦は最後の最後の手段でや」
「出来る限りせえへんことですね」
「多くの予算と手間暇かかってな」
「犠牲も出ますし
「どんな戦にも絶対はない」
 このこともだ、トウェインは話した。
「ほんまな」
「そうですね」
「しかしな」
 それでもというのだ。 
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