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バッテラを知っているか

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第二章

「バッテラか」
「おっ、バッテラ知ってるか?」
「ああ、大阪名物のな」
「四角い鯖の寿司だけれどな」
「うちの祖父ちゃんが好きでな」
 それでというのだ。
「子供の頃結構食ったんだよ」
「そうなんだな」
「そういえば最近食ってなかったよ」
 そうだったというのだ。
「バッテラはな」
「最近ある店減ってるからな」
「だからか」
「食わなくなったのもな」
 それもというのだ。
「仕方ないな」
「そうなんだな」
「ああ、それでバッテラ注文するか?」
「最初はそれにするか」
 こう上西に答えた。
「そうするか」
「よし、じゃあバッテラからだな」
「ああ、いただくよ」
 笑顔で言ってだった。
 本田はまずはバッテラを注文した、そして自分の前に来たそれを口に入れた。すると上西が笑顔で聞いてきた。
「美味いか?」
「ああ、凄くな」
「それは何よりだ、楽しんでくれよ」
「そうするな」
 こう言ってバッテラを食べてだった。
 上握りを注文して楽しんだ、そしてこの時から彼は時々この店に来た。やがて上西が握る様になったがそれからもバッテラを楽しんだのだった。


バッテラを知っているか   完


                    2024・7・16 
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