| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十六部第五章 傍目に見つつその七十

「やはりな」
「まさに一つの国である」
「サハラはな」
「そして一つの文明である」
「イスラムという」
「その国の主であるので」
「皇帝だ、サハラはイスラムという宗教は一つだが」 
 このことは事実だがというのだ。
「しかしだ」
「その中にはですね」
「多くの民族がいてな」
「そしてスンニー派とシーア派がありますね」
「それぞれの宗派がな」
「複数の民族と宗教を治め文明の統治者である」
「やはり皇帝だ、エウロパもそうであるしな」
 マールボロの言葉は続いた。
「そしてだ」
「さらにですね」
「日本やエチオピアもそうだ」
「やはりそうした存在ですね」
「複数の民族と蹴球の上に立ち」
 そのうえでというのだ。
「文明の代表者だ」
「日本とアフリカの」
「両国共な、そしてサハラの皇帝もな」
「同じであり」
「その至高とされる存在がだ」
 いよいよ、そうした言葉だった。マールボロはアッディーンに対してあえてその言葉を言うのだった。
「間もなくだ」
「サハラが統一され」
「誕生してだ」
 そうしてというのだ。
「サハラを治める」
「そうなりますね」
「その時が来るのが間違いなくだ」
「しかも近い可能性もありますね」
「そうだ、歴史は時として急に動くというが」
「今のサハラもそうですね」
「ついこの前まで戦乱の中にあったが」
 それがというのだ。
「もうだ」
「終わろうとしていますね」
「そして新たな時代がはじまる」
「サハラのそれが」
「そうなる、そしてそのサハラに対してだ」
「我々はどう動くか」
 エウロパはとだ、アッディーンも言った。
「それが問題ですね」
「まさにな」
「左様ですね」
「まさにな」
 マールボロも応えた。
「一体どうすべきかな」
「私の考えでは」
 モンサルヴァートはコーヒーを一口飲んでから語った。
「サハラともです」
「マウリアに対するのと同じくだな」
「はい、争うことはです」
 このことはというのだ。
「出来るだけです」
「避けるべきか」
「はい」
 そうすべきだというのだ。
「やはり」
「対立はだな」
「連合のみに絞り」 
 そうしてというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧