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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその六十七

「ですから」
「最早だな」
「ティムール軍には後はなく」
「オムダーマン軍とサマルカンド星系かその近辺で戦うか」
「若しそこで勝てばです」
 ティムール軍、彼等がというのだ。
「その時はです」
「ティムール軍はまだ勝機があるな」
「巻き返すことは可能です」
「その可能性が少なくともな」
「はい、ですが」
「敗れるとな」
「終わりです」
 その時点でというのだ。
「サマルカンドを守り切れず」
「首都を攻め落とされてな」
「勝負ありです」 
 そうなるというのだ。
「これまでの敗北に加え首都を占領されれば」
「もう残された領土も少ない」
「ですから」
 そうした状況だからだというのだ。
「敗れるとです」
「それで終わりだな」
「そうなります」
 まさにというのだ。
「ですから」
「いよいよどうなるかな」
「決まります」
「そうだな、しかし」
 マールボロはミルクティーを一口飲んでから言った。
「サハラは一気に動いたな」
「この前まで多くの国に分かれて争っていたのが」
「もう統一もな」
「すぐそこにあります」
「千年の戦乱が終わるか」
「はい、そうなります」
「その時が来るのだな」
 マールボロは今度はクッキーを口にした、モンサルヴァートと共に食べているティーセットの中にあるものだ。それは上段にあり中段にはフルーツと生クリームのサンドイッチがあり下段にはエクレアがある。ただモンサルヴァートは紅茶ではなくウィンナーコーヒーを飲んでそちらを楽しんでいる。
「あと少しで」
「それは間違いないかと」
「そうだな」
「そして統一されれば」
「サハラは帝国となるか」
「統一を果たした英傑が皇帝となり」
 そうしてというのだ。
「そのうえで」
「皇帝、あちらではスルタン=カリフだな」
「領主であり」
 それと共にというのだ。
「アッラーの代理人です」
「オスマン帝国皇帝だな」
「ムハンマドの死からカリフが存在し」
「二十世紀まで存在したな」
「数人いた時もあります」
 アッバース朝と後ウマイヤ朝等である。イスラムが統一されたことも実はウマイヤ朝滅亡以降なかったことだ。 
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