仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~
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第3部~希望と絶望の宝石~
第27話『ブレイクダウン』
その日、次元保護国は阿鼻叫喚に包まれていた。一帯は炎が燃え上がり、建物は倒壊し、多くの国民が負傷していた。話は、6時間前に遡る。
「さて、こちらも準備が整ったことだ。次元保護国は多次元への情報発信能力を持つらしいからね、それを少し使わせてもらおう。」
スカリエッティは弾む口調で話し始める。
「オットー、ハッキングの準備はどうだい?」
スカリエッティは戦闘機人No.8、オットーに進捗状況を聞く。
「順調ですね。いつでも仕掛けられますよ。でも、管理外世界への輸出は検閲の都合上難しくないですか?」
オットーは質問に答えながら、計画について疑問を投げ泣ける。
「その辺は問題ないさ。なにせ、商売先は我々が元々いた世界ではないからね。」
「と、言いますと?」
「例えばの話だが、仮面ライダービルドの世界に戦闘機人のデータを売ってみたらどうなるかな?」
「でも、あの世界には既にロボット戦士の製造技術がありますよね?」
「そこだよ。戦闘機人にはISというセールスポイントがあるじゃないか。技術の進歩の限界を、我々の商品で補ってあげるのが、今回の目的さ。どうだい、楽しいことが起きそうだろう?」
スカリエッティは楽しそうに語った。
「なるほどな、了解した。仮面ライダー、ここは撤退してやる。感謝することだな。」
スカイライダー達と交戦していたトジルセイバーは突然、召喚した偽ライダーを消滅させると、空間移動用のアイテム、ブックゲートを使用して撤退したのだった。
「奴は一体、何だったんだ…」
変身を解除した洋が考えていると、
「…分かりました、ありがとうございます。皆さん、今連絡が入りまして、機動六課の皆さんが、レリックウェポンと名乗るスカリエッティの戦闘兵士と交戦したと情報が来ました。」
真がレリックウェポンに関する情報を共有する。
「レリックウェポンにネクストライアル、それから今戦ったトジルセイバー、スカリエッティは俺達仮面ライダーの世界の力をどんどん悪用していってる。早くなんとかしないと。」
一也も本来の歴史以上に勢力を拡大させているスカリエッティの脅威を危惧していた。
「それでは、只今の発言を持ちまして、本日の議会を終了とさせていただきます。」
議事堂では定例の予算委員会が開かれていたが、次官となったことで議会が終了となり、各議員が退出の準備をしていたが、突然議事堂は停電となる。
「何がどうなっているんだ!」
突然の停電となり、議員達はざわめき出す。すると、閉じていた扉を破壊してガジェットドローンが侵入してくる。ガジェットドローンに包囲され、議員達は一まとまりになるが、
[exceed charge!]
[time out!deformation!]
駆け付けたファイズ アクセルフォームのアクセルスパークルカットによって議員に詰め寄っていたガジェットドローンは一機も残らず撃破される。
「早く逃げろ!」
ファイズの誘導によって、議員達は安全に避難することに成功する。
「ちっ、まだ出てくるのか!」
避難を終えたファイズの前には、大量のガジェットドローンが立ちはだかった。
「さあ、雅君、出番だよ。ディロードの相手を頼めるかい?」
スカリエッティはオルタディロードに優しく話しかける。
「わかりました。行ってきます。」
【アタックライド-ワープ-】
オルタディロードは雅の向かう先へワープした。
「さあ始めよう!最高のショーを!」
オルタディロードはスカリエッティの思惑など、知る由もなかったのだった。
議事堂襲撃の知らせを受けた雅は議事堂へ向かっていた。すると、そこにオルタディロードが現れる。
「オルタディロード、どうしてスカリエッティの口車に乗るんだ!?」
「俺は決めたんだ、この力は、スカリエッティ博士が作ろうとしている、みんなが苦しまない世界のために!」
オルタディロードは雅の質問に答えると、臨戦態勢を取る。
【CHANGE RIDE-GOKUREN IGARIMA-】
雅はディロードライバーをイガリマへ変える。
「♪Zeios igalima raizen tron」
雅は詠唱を唱え、イガリマのアームドギアを纏う。
「♪君の目に映る僕 何を思ってる?初めて知る温もりに 不安が襲うよ 何度も消えてしまった願いはいつしか 素直の意味まで消えてしまぁってた」
雅は切・呪りeッTぉを放つが、
【カイジンライド】
「死神クロノス!」
オルタディロードは死神クロノスにカイジンライドし、大鎌で攻撃を防ぐ。
「♪真っ直ぐな夢は 自由求めて 果てない未来を綴ぅってく 止まったままの時計を壊しぃて!」
雅は封伐・PィNo奇ぉを放つ準備をする。
【ファイナルアタックライド】
「死神クロノス!」
オルタディロード死神クロノスは必殺技を発動し、灼熱の炎で大鎌の刃は燃え上がる。
「♪僕ぅがいるから 守り抜〜くよ〜」
雅は封伐・PィNo奇ぉを放つが、
「クロノス地獄大鎌!」
オルタディロード死神クロノスは大鎌の炎をエネルギーにして雅に放ち、封伐・PィNo奇ぉによって展開された刃を破壊し、炎の渦で雅を閉じ込め、ギアの装着を解除させる。
「くっ!それならこれだ!」
【CHANGE RIDE-MAKYU ICHAIVAL-】
「♪Killter Ichaival tron」
雅はすぐに立ち上がり、イチイバルのカードを使いイチイバルのギアを装着する。
【カイジンライド】
「バットオルフェノク!」
それを見たオルタディロードは死神クロノスからバットオルフェノクへカイジンライドする。
「♪愛の〜無〜い 世界ぃに漂い過ぎていた〜んだ」
雅はBILLION MAIDENを放つが、オルタディロードバットオルフェノクは素早い動きでそれを交わし、拳銃から弾を放つが、雅もそれを躱し、互いに譲らぬ銃撃戦が繰り広げられる。
「♪傷ついた記憶さえ 全て麻痺した 変わるはずないと決めつけて 変わることを恐れていた 運命の連鎖始〜まる!」
雅はMEGA DEATH QUARTETを放つがオルタディロードバットオルフェノクはその隙をついて雅が握る銃を撃ち落とす。しかし、雅は咄嗟に武器を弓矢に持ち帰る。
【カイジンライド】
「ガンマンロイミュード!」
オルタディロードはそれに対応するようにガンマンロイミュードにカイジンライドし、銃を構える。
「♪いつも照らしてる約束の証 どこに〜行っても 見守ってる きぃっと〜」
雅はCUT IN CUT OUTを放とうとするが、オルタディロードガンマンロイミュードの射撃よってコアを破壊され、ギアの装着が解除される。
「まだだ!」
【CHANGE RIDE-GEKISOU GUNGNIR-】
「♪Balwisyall Nescell gungnir tron」
雅はそれでも諦めず、今度はガングニールのギアを纏う。
「♪変わりたいと叫ぇびなが〜らも 変わらない安〜らぎに 帰る場所を描〜いて 刹那でもいいと 募る寂しさ 壊せる温もりを求〜めてた〜!」
雅は拳にエネルギーを込め殴りかかり、オルタディロードガンマンロイミュードは反応が遅れその拳を腹部に受けてしまう。
「くっ!」
【カイジンライド】
「キャンサー・ゾディアーツ!」
オルタディロードは雅の格闘戦を防ぐためにキャンサー・ゾディアーツにカイジンライドする。
「♪解いた溢れぇ出ぁす言葉今〜 君に伝ぁえた〜い〜」
雅の猛攻はオルタディロードキャンサー・ゾディアーツの装甲を打ち破れず、弾き返される。
「♪置き〜去りの弱さに日を〜灯す 君〜の眼ぁ差しぃに導かれて 蘇るよ〜あの日の素直〜な声が〜 何があっても離さない君のそ〜ばにいる!」
雅は臆することなく回し蹴りを放つが、オルタディロードキャンサー・ゾディアーツは鋏でその脚を受け止め、投げ飛ばす。
「♪本当はず〜っと 気〜づいてた 翳した願いの示す先〜に〜 守りたい笑顔 輝くぅ明日〜が〜 僕らを待ってる〜 さあ手を取ってstarry sky!」
雅は渾身の正拳突きを放つが、オルタディロードキャンサー・ゾディアーツのカウンターパンチを受け、ギアの装着が解除される。それでも雅は立ち上がり、ディロードライバーを装着する。
「オルタディロード、目を覚ませ!これが誰も苦しまない世界か!?多くの人が怯え、怪我をして苦しんで、街が破壊されていくさまが、苦しまない世界の姿か!?」
「それは…」
雅の言葉にオルタディロードは口ごもる。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身し、悩むオルタディロードに近づこうとするが、何者かの攻撃を背中に受ける。
「おいおい、余計なことをしないでくれよ。」
「そうそう、私達の雅くんを誑かさないでもらえないかしら?」
ディロードが振り向くと、ガッツスパークレンスを構えた男性と、移動用マシンに乗るクアットロがいた。
「誑かしているのはお前達の方だ。心の傷ついた子供に甘言を囁き、テロ行為の尖兵にしているだけじゃないか!」
ディロードはロードスラスターを構える。
「クアットロ、オルタディロードを連れて撤退しろ。ディロードは俺が引き受ける。」
“ブートアップ!トレラシウム! ウルトラマントレギア!”
男性はトレギア(GS)に変身し、ディロードに掴みかかる。
その頃、次元保護国の各地でガジェットドローンを従えた戦闘機人、ネクストライアル、レリックウェポンが行動を起こしていた。
「人ならざる者よ、ここで消えるがよい。」
翔一と渡の前にネクストライアルAが現れ、戦斧を向ける。
「渡君、行こう!変身!」
「行くよ、キバット!タツロット!変身!」
翔一はアギトシャイニングフォームに、渡はキバエンペラーフォームへ変身し、ネクストライアルAに立ち向かう。
「ここが、機動六課とかいう組織の基地か。ゴーカイチェンジ!」
“ダ〜クバスター!”
ゴーカイワルドは特命戦隊ゴーバスターズと激闘を繰り広げたヴァグラスの幹部、エンターが変身した悪の戦士、ダークバスターへゴーカイチェンジし、ブルーバスターの超怪力を発揮して機動六課の本部を襲撃。それによってできた亀裂からガジェットドローンを侵入させる。
「あれは!?」
六課本部の異常を察知したなのはは、迫りくるガジェットドローンをアクセルシューターで粉砕し、六課本部へ全速力で向かう。
「ヴィヴィオ、無事でいて…」
なのはは、初めてできた護りたい者に思いを馳せていた。
「フェイトお嬢様、私達と共にドクターの元へ帰りましょう。」
各地に現れたガジェットドローンの撃破に勤しんでいたフェイトの前にトーレ、そして戦闘機人ナンバー7のセッテが現れる。
「貴方達を操っている広域次元犯罪者、ジェイル・スカリエッティには逮捕状が出ている。抵抗をしなければ、悪いようにする気はない。」
フェイトはトーレにバルディッシュを向ける。
「お嬢様、そのような悲しい言い方はやめてください。ドクターはあなたにとっては…」
トーレは悲しげな表情で話しかける。しかし、
「黙れ!」
フェイトは戦闘態勢に入り、トーレ達も応戦の構えを取る。
“チンク、ドクターからの追加の注文は大丈夫ですか?”
議事堂内の制圧を任されていたチンクにウーノからの連絡が入る。
「こちらは問題ない。内容は?」
“出来ればタイプゼロの二機を回収してほしい、とのことです。”
「それなら問題ない。承った。」
スカリエッティの大規模作戦により、次元保護国は凪風事変依頼の脅威に晒されようとしていた。
to be continued.
次回、仮面ライダーディロード
「パチモンではない。俺の力を見せてやる。」
「すべての生命が消えれば、争いは止められる!」
「ヴォルテール!」
「ギン姉を…返せぇぇぇぇぇ!」
次回『新世代、大敗を喫する』希望を紡いで、全てを救え!
後書き
新カード紹介
獄鎌・イガリマ:ディロードライバーをイガリマのコアに変え、シンフォギアを纏うためのカード
魔弓・イチイバル:ディロードライバーをイチイバルのコアに変え、シンフォギアを纏うためのカード
撃槍・ガングニール:ディロードライバーをガングニールのコアに変え、シンフォギアを纏うためのカード
釈明タイム
更新を待っていた皆様、大変申し訳ございませんでした。本来なら、ウルトラセブンを書き終えた段階で更新をしようと計画していました。しかし、それから間もなくして疾患が悪化し、とても創作活動が行える状態ではありませんでした。そのため、報告等もなく失踪状態となってしまいました。現在はやや落ち着いているため、活動の再開が可能となった次第です。これからもスローペースとなりますが活動は続けていく予定なので、今後とも宜しくお願いいたします。
紡ぐ風
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