八条学園騒動記
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第七百五十九話 連合市民の認識その七
「そんなことはね」
「どうでもいいな」
「そして民族や人種の違いも」
こうしたものもというのだ。
「何でもないですね」
「ああ、別にな」
「混血してるしね」
「俺達だって混血してるぞ」
「純粋な白人とか黒人いないわよ」
「黄色人種もな」
「連合市民は殆ど混血してるわ」
こうセーラに話した。
「うちの理事長さん外見は純粋なアジア系だけれどね」
「白人や黒人の血も入ってるそうよ」
「混血してそれぞれの優れた遺伝子が受け継がれる」
ダンは連合のこの考えを話した、
「いいことだな」
「それが連合の考えですね」
「ああ、白人だの黒人だのな」
「人種の違いはですね」
「ないな、民族が違ってもな」
人種だけでなくだ。
「混血していくとな」
「優秀さが受け継がれていきますね」
「それに人の優劣なんて小さい」
ダンは連合の考えをもう一つ出した。
「所詮な」
「努力次第で、ですね」
「その人のな」
セーラに確かな声で答えた。
「それでどうでもなる」
「それが連合の考えですね」
「そしてだ」
セーラにさらに話した。
「混血での受け継がれる優れた才能とな」
「努力で、ですね」
「連合市民はよくなってきている」
「データを見てもですね」
「知能指数も運動能力もな」
そうしたデータを見てもというのだ。
「どの国も大差ない」
「民族や人種の違いも」
「同じ人間だ」
このことを強い声で言った。
「それならな」
「大きな違いはないですね」
「そうだ、絶対にな」
「連合はそうした考えであって」
セーラはそれでと話した。
「事実発展し優れたものがです」
「あるか」
「そのことをお話しています」
「エウロパにだな」
「あちらに行った時は」
「だから侮るなとか」
「そうです、決してです」
連合はというのだ。
「愚かではありません」
「そうなのだな」
「人も国も」
「衆愚じゃないな」
「決して」
まさにというのだ。
「そうした国ではありません」
「それは何よりだな」
「そしてエウロパもです」
「俺達は誤解しているか」
「かなり。私としてはです」
セーラはダンに話した。
「連合とエウロパの対立が終わることをです」
「願っているか」
「実は。ですが」
セーラはそれでもと話した。
「それは無理だとです」
「思っているか」
「対立は千年に及び」
それだけ長くというのだ。
「そして激しく憎み合っていますね」
「否定出来ないわ」
エイミーが憮然とした顔で応えた。
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