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夢幻水滸伝

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第三百五十六話 東と西その九

「それで、です」
「何とか助かっててな」
「そして真の恋人が出来て」
「助かったわ」
「家庭の問題もありましたが」
「その家族とも縁を切ってな」
「親戚のお家に入って」
 そうしてというのだ。
「今は家庭でもですね」
「幸せや」
「よかったですね」
「ほんまな、しかし恋愛ってのはな」
「こうしたこともありますね」
「若気の至りじゃ済まない」
 スタインベックも言った、やはり嫌そうな顔だった。
「酷い話ですね」
「全く以てな」
「振った女も周りの女共も裏切った連中も」
「今は学園の嫌われ者や」
「その失恋を囃し立てた連中は」
「絶対に信用したらあかん」
 トウェインは険しい顔で言った。
「十人位おるが」
「その十人は、ですね」
「何があってもな」
「直接かかわった連中と同じで」
「人の失恋を嗤う奴はな」
「信用したらあきませんね」
「人の痛みがわからんからな」
 だからだというのだ。
「信用せんでや」
「付き合わへんことですね」
「そや」
 絶対にという口調でだ、トウェインは告げた。
「そんな底意地の悪い奴はな」
「付き合わへんで」
「無視するんや」
「近寄っても」
「正直屑と付き合うより一人でおって」
 そうしてというのだ。
「己を高めた方がや」
「ええですね」
「そや」
 まさにというのだ。
「まだな、己を高めてくとな」
「人とも出会えますね」
「ええ人とな、屑かどうかの見極めもな」
 己を高めていくと、というのだ。
「出来て来るさかいな」
「そやからですね」
「一人でもや」
「よくて」
「一人でおることを怖がらんことや」
「よく日本では友達おらへんイコール最悪とですね」
 デリーロは真顔で言った。
「なってますね」
「それで友達多いとな」
「ええとですね」
「ステータスになってるけどな」
「実はそれで人のステータスは決まらへんですね」
「ある人が言うた、友達はお互い生きてる時はわからん」
「友達かどうか」
 トウェインに対して述べた。
「わからへんですか」
「どっちかの人が死んだ時や」
「わかりましか」
「生き残った人がその死を残念やと思ったらな」
 そうなればというのだ。
「それでや」
「友達ですか」
「生き残った方は残念やと思った時にな」
「友達になり」
「死んだ人もや」 
 もう一方のその人もというのだ。 
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