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夢幻水滸伝

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第三百五十六話 東と西その一

               第三百五十六話  東と西
 デリーロ達の話が終わってだ、最後まで聞いていたトウェインはすっかり酒に酔った顔で彼等に言った。
「自分等も色々あったな」
「はい、こっちの世界に来てから」
 デリーロが答えた。
「今お話させてもらった通りに」
「そやな」
「ほんまです」
「何かとあってやな」
「大変でした、そして今はです」
「こうしてわい等と一緒におるな」
「そうです、これから宜しくです」 
 トウェインにあらためて言った。
「ほんまに」
「こっちこそな、戦はしたけどな」
 それでもとだ、トウェインはデリーロに話した。
「昨日の敵は今日の友や」
「そうですね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「これからはな」
「仲間としてですね」
「宜しくな」
「はい、ほんまに」
「さて、それでやけどな」 
 デリーロは赤ワインを飲みつつ言った。
「これでアメリカ西部は完全に統一された」
「二十五州をです」
 ヘミングウェーが言ってきた。
「掌握しました」
「そして統治に入る」
「そうです、しかしです」
「統治だけやないな」
「はい」
 まさにというのだ。
「東部は東部で統一されました」
「メルヴィルがそうしたな」
「我々はアメリカの統一を目指していますが」
「その前段階として西部を統一したけどな」
「メルヴィル君達もです」
「同じやな」
「はい、アメリカ統一を目指していて」
 そうであってというのだ。
「その前の段階としてです」
「東部を統一したな」
「そうしました」
「そうなるとな」
「東部と西部で、です」
「戦になるな」
「はい」
 まさにというのだ。
「そうなります」
「そやな、それは避けられへんな」
「おそらく今後は」
「あいつ等と緊張が高まってな」
「そうしてです」
 そのうえでというのだ。
「さらにです」
「戦になるな」
「そうかと」
「そやな、ほなこっちはな」
 トウェインはヘミングウェーの話を聞いて述べた。
「軍を連中との境に集結させるか」
「そうしますね」
「水軍もな」
 彼等もというのだ。
「そうしよな」
「おそらくですが」 
 ミニーが言ってきた。
「テキサス州の辺りで」
「戦になるな」
「そうなるかと」
「テキサスの東の端やな」 
 トウェインはミニーにその辺りの地図を頭の中に出しつつ答えた。 
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