金木犀の許嫁
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二十五話 赤い自動車その八
「行われていたのがです」
「戦後日本で」
「巨人も然りです」
「とんでもないことでしたね」
「ですが誤りは正されます」
幸雄は断言した。
「悪は随分長く正義と喧伝されていましたが」
「今ははっきりしていますね」
「はい、ですから」
そうなったからだというのだ。
「今ではです」
「巨人は悪事がばれて人気がなくなって」
「マスコミも斜陽になり」
「宣伝も出来なくなって」
「お金もなくなりもう育成も忘れているので」
「あんなに弱いんですね」
「それで過去の栄光にすがっているのですから」
二十年以上連続で最下位になっているがだ。
「どうにもなりません」
「昨日も負けましたね」
佐京は巨人のその話をした。
「そうしたチームでも」
「過去の栄光は変わらないので」
「すがっているんですね」
「そして努力をしないので」
「弱いままですね」
「あのまま変わりません」
巨人はというのだ。
「不祥事もです」
「起こし続けますね」
「間違いなく」
「いいところがないチームですね」
「そうなっていて」
そしてというのだ。
「もうです」
「アンチばかり多いですね」
「そうです、驕る平家は久しからずといいますが」
「驕る巨人ですね」
「そうです」
まさにというのだ。
「簡単に言うと」
「そうなりますね」
「そしてです」
幸雄はさらに話した。
「北朝鮮もです」
「同じですね」
「あの国も赤ではあります」
「共産主義なので」
「もう共産主義とはです」
その様にはというのだ。
「思えないですが」
「もう何処が?ですよね」
「ですがそう言っていて」
彼等自身はだ、世襲の独裁者が君臨しており階級制度の社会であっても彼等はそう言っているのである。
「色で言うならば」
「赤ですね」
「ですがその赤ではです」
「真田家の赤は違いますね」
「武田家からの赤備えの赤であり」
そうであってというのだ。
「火の様に戦い義を守った」
「そうした赤ですね」
「そうなのです」
まさにというのだ。
「そこがです」
「違いますね」
「同じ赤でも」
「そうですね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「一つ思うことは」
幸雄はこうも言った。
ページ上へ戻る