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仮面ライダーギーツ 運命の瞬間

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第十六章

「その時はな」
「ご存知なので」
「すぐにな」
「連絡をして」
「来てもらう、他にもライダーはいるが」
「五十嵐家の方々にですね」
「頼む、それに俺達はそもそもあの家と縁がある」
 このこともだ、浮世は話した。
「覚えているな」
「はい、そのことは」
「今思い出したっていうかね」
「一緒に戦ったことがあったね」
「その縁もある、だからな」
 そうであるからだというのだ。
「あの家にな」
「声をかけるね」
「時が来れば」
「そうしますね」
「そうする、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「戦うぞ、その時必ず景和達もいる」
「あの人達にですね」
「ベルトを渡すことだ」
「ではです」
 ツムリは浮世の言葉を聞いて澄んだ声で答えた。
「私からです」
「あいつ等にベルトを渡してくれるか」
「はい、ただ私が直接お会いしてお渡ししますか」
「それもいいが郵便で送ってもだ」
「いいですか」
「そうしたことをした人もいた」 
 浮世は椎茸を食べつつ淡々とした口調で答えた、見れば今の三人は今は肉を食べている。見れば酒もある。
「スマートブレイン社の社長だ」
「花形さんですね」
「あの人がした」
「仮面ライダーファイズ、乾巧さんにですね」
「ブラスターモードの装置を送った」
「他には仮面ライダーカイザ、草加雅人さんに天井からでしたね」
「ゴルトクラッシュの装置を渡したな」
「そうしましたね」
「それでいい」
「郵便で」
「それで手に取ればな」
 かつてライダーだった者達がというのだ。
「間違いなくだ」
「ライダーになってくれますね」
「そうなる、今は忘れていてもな」
 かつてライダーだった者達がとだ、浮世は鋭い目になって話した。
「その時が来れば思い出す」
「無意識の中にあるものを」
「間違いなくな、仮面ライダーになった者は運命の中にある」
 浮世は葱と糸蒟蒻を食べつつ言った、お椀の中には春菊もある。
「人間としてスサノオ、神と闘い続けるな」
「その中にあるので」
「だからだ」
「時が来れば思い出しますね」
「そうなる」
 確信を以て言うのだった。
「これまでもそうだったしな」
「桜井さん達もですね」
「同じだ」
 まさにというのだ。
「そのことはな。ではな」
「はい、それではですね」
「ベルトを届けてくれ」
 ツムリにあらためて告げた。
「そうしてくれ」
「それでは」
「後は待つ」
「待つのも戦いのうちだね」
 ジーンはすき焼きの豆腐独特の熱さに応えつつ言った。 
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