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神々の塔

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第七十二話 四つ目の神その三

「僕等も強うなった」
「そや、ただレベルやステータスが上がっただけやない」
「戦い方もな」
「強さはレベルとかだけやない」
 そうしたものだけで決まるものではないというのだ、シェリルはこのことを中里に対して確かな声で話した。
「その他のや」
「戦術やな」
「私等は十人おるけどな」
「十人でどう戦うか」
「その時の相手にな」
「その戦術も磨かれてきてるな」
「そのことも大きいで」
 確かな声のまま言った。
「ほんまな」
「そやな、それでやな」
「私等は強うなった」
 シェリルもこの言葉を出した。
「この塔に入る前よりもな」
「そうなったな」
「ただな」
 こうもだ、シェリルは話した。
「もう一つ学んでることがあるな」
「慢心するな」
「そや、慢心とか油断はな」
 そうしたものはというのだ。
「絶対にや」
「持ったらあかんもんや」72
「そや、持ったらな」
「その時点で終わりや」
「思えば枢軸との決戦話私達は油断も慢心もしてへんかったが」
 リーはあの戦を振り返して話した。
「二重三重に備えをしてな」
「勝つつもりやった」
「しかしや」
 油断も慢心もしていなかったがというのだ。
「それでもや」
「絶対に勝つと思ってな」
 中里もあの戦の時のことを振り返った、そのうえでリーに応えた。
「そうしてや」
「戦ったな」
「しかし敵は僕等の予想、収集した情報以上に強かった」
「あっちの星の者達がな」
「その星のモンの強さを使ってな」
 そうしてというのだ。
「枢軸は渾身の攻撃を浴びせてや」
「引き分けに持ち込んだわ」
「そやったな」
「引き分けでもな」
 リーはそれでもと話した。
「何度も言うが」
「僕等の負けやったな」
「戦略目標はあの決戦で勝って」
「敵の都サマルカンドを手に入れて」
「あの街を拠点にしてな」
 サマルカンドをというのだ。
「そこからロシア、インドにや」
「攻め込むつもりやった」
「それがや」
 その戦略がというのだ。
「ほんまな」
「それが達成出来んでな」
「負けやった」
 自分達即ち連合のというのだ。
「ほんまな」
「そやったな」
「敵を調べ尽くして」
「情報収集を徹底させて」
 中里も言った。
「そうしてな」
「敵のことを隅まで知った」
「軍の規模もな」
「装備もな、しかしや」
「星のモンのレベルは把握してへんかった」
 メルヴィルが忌々し気に言ってきた。
「まさかそれを隠していてや」
「僕等の予想より上やったとはな」
「思わんかった、そしてその強さでや」
 それで以てというのだ、メルヴィルは中里に対して忌々し気な顔のままさらに言う。その顔に感情が完全に出ていた。 
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