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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその五十五

「後は装備も整っていれば」
「問題ないですね」
「そうだ、だからサハラについてはな」
「それで、ですね」
「問題ない」  
「確かに。最悪見掛けがよければ」
 モンサルヴァートも軍人として話した。
「それで、です」
「例え質が悪くてもな」
「質が悪くとも」
 それでもとだ、モンサルヴァートはマールボロに話した。
「しかし」
「数と装備があればな」
「大抵の者は強いと思います」
「それで立派なパレードでもすればだ」
「まずです」
 多くの者は気付かないというのだ。
「信じます、実際二次大戦前のイタリア軍もです」
「強いと思われていたな」
「むしろドイツ軍よりも」
 そしてフランス軍よりも上だと評価されていたのだ。
「そうでした」
「しかし実はな」
「将兵の質がどうにもで」
 訓練度も士気も極めて低かった、その為戦えば惨敗していた。
「非常にです」
「弱い軍隊だったな」
「はい」
 その通りだとだ、モンサルヴァートは答えた。
「そうでした」
「そして逆に日本軍はな」
「然程と思われていましたが」
「恐ろしいまでに強かった」
「そうでしたね」
「私の祖先は地獄を見た」
 マールボロは笑ってこうも言った。
「彼等によってな」
「イギリス軍はですね」
「緒戦で散々に敗れてだ」
 そうしてというのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、でしたね」
「戦争には勝ったがアジアで日本に叩かれ欧州でドイツに叩かれてだ」
「国力も威信も大きく落とし」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「大戦後植民地を失った」
「そしてイギリスは世界帝国でなくなりましたね」
「欧州の一国に戻った」
 大国ではあってもだ。
「そうなった」
「その日本にやられて」
「将兵の質はわかりにくい」
「実際に戦わないとですね」
「何かないとな、だからだ」
「今のマウリア軍については」
「少なくとも戦争がないならな」
 それならというのだ。
「大きな問題にならない」
「その通りですね」
「災害救助では問題になるかも知れないですが」
「それでもですね」
「戦争程顕著にはならない」
 その弱体化という問題はというのだ。 
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