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夢幻水滸伝

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第三百五十五話 三人と五洲その六

「反感を持つから」
「そやからですね」
「嘘はね」
「言わへんですね」
「嘘はばれるものよ」 
 デリーロはこうも言った。
「言い募って百回言って撒き散らしてもね」
「嘘は嘘ですね」
「例え仕組まれた選挙と言っても」
 八条学園では誰もがわかっていることだ、誰が嘘を言っているのか。
「わかるものよ」
「嘘やとですね」
「そうよ、そして歴史に汚名を残すわ」
「嘘吐きだと」
「騙される馬鹿はいても」
「その時だけですね」
「後で皆が知るわ」
 まさにというのだ。
「嘘を吐いていたのは誰か」
「そして今の時点でもですね」
「人は騙されたとわかったらその時点で反感を持つわ」
 嘘で騙した相手にだ。
「そして勢力の中に反発する存在をもうけるから」
「置かへんですね」
「不支持はええのよ」
 そう感じている者はというのだ。
「別にね、けどね」
「不穏分子はですね」
「明確に敵意を持って内部の争乱や分裂を求める様な」 
 そうしたというのだ。
「そうした勢力はね」
「作らへんことですね」
「そやからね」
「嘘は吐かへんですね」
「多少の美化はしてもええのよ」
「お約束なので」
「自分達を悪く言うことはしないもよ」
 デリーロはコーヒーを飲んでから言った、三人の席には書類の山とペン以外にコーヒーも置かれているのだ。
「特に政ではね」
「それで、ですね」
「ええ、そうしたことは言わへんで」 
 それでというのだ。
「そのうえでね」
「宣伝もして」
「そうしてね」
 そのうえでというのだ。
「勢力を拡大していくわよ」
「わかりました」
「そしてね」
 デリーロはさらに言った。
「二州も治めていきましょう」
「内政を整えていきますね」
「そして豊かで平和になってもらいましょう」
「そうなってもらいますね」
「今の三州と一緒にね」
 自分達の現在の勢力と、というのだ。
「平和で豊かにね」
「していきますね」
「掌握したらね」
 こう言ってだった。
「そうしていくわよ」
「どういった内政をするか」
「そのこともね」
「進めていきますね」
「領土は手に入れるだけやないわ」
 デリーロは言った。 
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