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ドリトル先生と奇麗な薔薇達

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第一幕その三

「お気遣いなく」
「そうですか」
「日笠さんはお奇麗ですから」
 今度はこんなことを言いました。
「どんな服も似合いますよ」
「それは何よりですね」
 日笠さんはエクレアを食べながら応えました、ケーキは上段エクレアは中段にあって下段にはクッキーがあります。
「じゃあパーティーの時は」
「その時はですね」
「スーツで参加します」
「一緒に楽しみましょう」
 先生はこの時も温厚な笑顔でした、そうして日笠さんそれに皆と一緒にお茶とお菓子を楽しみました。
 その日笠さんが帰ってからでした、皆は先生に呆れて言いました。
「全く先生ときたら」
「何やってるのかしら」
「本当にね」
「先生は相変わらずだから」
「困るよ」
「こうしたことについては」
「何か僕やったかい?」
 先生は今研究している分野についての本を開きながら皆に尋ねました。
「一体」
「何かしたかっていうとね」
「こうした時こそってことをしなかったよ」
「全く気付かないで」
「そのうえで」
「そうなんだ、何かな」
 やっぱりわかっていない先生です。
「一体」
「それがわかればね」
「先生はもっと幸せになれるのに」
「こうしたことはわからないから」
「自分には無縁だって思い込んで」
「僕に無縁なものと言えば」
 そう言われて先生が思いつくものはといいますと。
「ギャンブル、煙草、スポーツ、恋愛だけれど」
「借金もね」
「それに偏見もね」
「けれどそこにあるものでね」
「先生何か縁はない?」
「あるかな、僕はギャンブルとかには全く縁がないばかりで」
 それでというのです。
「特に恋愛はね」
「恋愛ね」
「本当にないのかな」
「先生もてないっていうけれど」
「運動音痴で外見が冴えないから」
「太ってるしね、ほら女の人特に日本の女の人は」
 先生は思い込みを言いました。
「太っている人は好きじゃないからね」
「いや、日本人っていうけれど」
 ジップが言いました。
「皆が皆じゃないからね」
「太ってる人って嫌われる?」 
 ダブダブは首を傾げさせました。
「日本でも太ってる人多いよ」
「それで太っていても結婚してるし」
「普通にね」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「それこそ」
「そうしてるしね」
「それにだよ」
 ホワイティも言います。
「大事なのは性格じゃない」
「太ってるとかで嫌とか言う人は」  
 老馬は断言しました。
「内面を見ていないってことだからね」
「そんな人に好かれても意味ないよ」
 チーチーも先生に言いました。
「正直行ってね」
「先生みたいな性格いい人いないよ」
「紳士で公平で優しくて」
 チープサイドの家族の先生に言います。 
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