星河の覇皇
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第八十六部第五章 傍目に見つつその五十
「大層な様でだ」
「その実はですね」
「何でもないですね」
「そうしたものですね」
「何があっても穢れが落ちないなぞだ」
そんなことはというのだ。
「有り得ない」
「左様です」
「それを穢れているなぞ」
「二度と言わせない様にしましょう」
「このマウリアで」
「そうするのだ、それも一代でなく」
それで終わらずというのだ。
「さらにだ」
「まさに人類がある限り」
「その限りですね」
「そうされますね」
「カースト制度の上にですね」
「我々はある様にする、数千年の苦痛を一瞬とだ」
その様にというのだ。
「なるまでにな」
「数千年もですね」
「ほんの一瞬である」
「これからの我々の繁栄の長さを思えば」
「そうなりますか」
「そうなる、そもそも人間の生では数千年は何十も生まれ変わるだけの長さだが」
ジャバルは輪廻転生も話に出した、仏教にもあるこの思想は元々マウリアに昔からある考えで彼も信じているのだ。
「しかしだ」
「神々から見れば一瞬です」
「その数千年も」
「そうしたものですね」
「宇宙の寿命は四百億年という」
それだけの長さだというのだ。
「果たして人類の歴史がどれだけ続くかわからないがな」
「数千年といえどですね」
「その四百億年の長さではですね」
「ほんの一瞬ですね」
「それだけの短さですね」
「まさに」
「そうだ、もっと言えばその四百億年もだ」
その長さもというのだ。
「神々にとっては一日だ」
「ブラフマーの一日ですね」
「創造の神のそれだけですね」
「その無限の長さもですね」
「ほんの一日ですね」
「神々の悠久の時間の中でのな」
神の寿命は不死であるので永遠に続く、四百億年が一日でその一日が永遠に続くというのである。それがマウリアの考えなのだ。
「そうなるが」
「それでもですね」
「その中で、ですね」
「悠久の時は続き」
「そうしてですね」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「我々はその四百億年の中でだ」
「ほんの数千年」
「そう言われるまでの長い繁栄を迎えますね」
「これからは」
「そうなるのですね」
「人類の歴史が続く限りな」
その時までというのだ。
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