スーパー戦隊超決戦
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二十一話 王達の来訪その九
「ドンモモタロウだ」
「モモタロウ?」
「そうだ」
強い声で返した。
「覚えておいてくれ」
「うん、じゃあお互いね」
「知っていこう、だが」
「だが?」
「まずは食うことだ」
桃井はこうも言った。
「丁度昼飯の時間だからな」
「おお、そうですな」
カグラギ=テイボウスキは桃井の言葉を受けて笑って頷いた。
「丁度我々も腹が減っていました」
「だからこれから食うぞ」
「それで何を食するのですかな」
「肉だ」
返事は一言だった。
「焼肉だ」
「おお、焼肉ですか」
「ここにいる全員で焼肉を食ってだ」
そうしてというのだ。
「絆を作るのだ」
「そうするのですな」
「そしてだ」
桃井は言葉を続けた。
「野菜も食う」
「そちらもですな」
「栄養バランスも考えてだ」
そうしてというのだ。
「食うぞ」
「それはいいですな」
デイボリウスは桃井の話を聞いて満面の笑みで応えた。
「桃井殿はわかっておられる」
「食いもののことをか」
「はい、食事はバランスよくです」
満面の笑みのままさらに応えた。
「お肉だけでなく」
「野菜もだな」
「他の色々なものを食することです」
「そうだな、だがあんた必要とあればだ」
桃井はここでテイボウスにこうも言った。
「汚れることも厭わないな」
「おわかりですか」
「その笑顔に覚悟がある」
「だからですか」
「わかった、そうだな」
「そう言うあなたずけずけ言われますが」
ヒメ=ランが言った。
「悪意はありませんね」
「俺は嘘を言わないだけだ」
これが桃井の返事だった。
「嘘を吐くと死ぬからな」
「それは変わった体質ですね、診ていいかしら」
「勝手にしろ」
「それでは後日」
「何はともあれ宜しく頼む」
リタ=カニスカが言ってきた。
「こちらで大きな、宇宙に関わる戦いが行われていると聞いて馳せ参じた」
「それで来たのか」
「我々はな」
「わかった、しかしあんた実はぬいぐるみ好きだな」
「答える必要はあるか」
カニスカは桃井の今の言葉にそのことが見抜かれたと考え内心動揺しつつも冷静さを保ちつつ問うた。
「その質問に」
「ない、服に付いていた白い毛が獣のものでなかったからな」
「思ったのか」
「確信した」
そうだったというのだ。
ページ上へ戻る