トトの助け
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第一章
トトの助け
エジプトのヘルモポリスに伝わる話である。この街にはこうした神話が残っている。
原初の存在から神々も世界も生まれた、だが。
「我らの今の姿はどうだ」
「よくわからないな」
「形がはっきりしていない」
「これでは何も出来ないな」
「それならだ」
神々の中の一人の者がここで言った。
「まずは名前を決めよう」
「名前?」
「我らの名前をか」
「それを決めるのか」
「そして姿を決めよう」
名前の次にというのだ。
「名前は全てを表すからな」
「だからか」
「それでか」
「まずは名前か」
「それを決めるか」
「そして姿をな」
こう言ってまずはその神が自らの名を決めた、その名は。
「トトか」
「そなたはその名前にするか」
「そうするか」
「そうする」
神々にその名を伝えた、そしてだった。
姿を定めた、その姿は」
「鳥か」
「朱鷺になるか」
「その姿にしたか」
「そうした、では皆もだ」
他の神々にも言うのだった。
「それぞれ名前とだ」
「姿をだな」
「決めるのだな」
「そうするな」
「そうしてくれ」
こう言ってだった。
トトは他の神々にも自分の様にさせた、そして神々はそれぞれの名前を決めて姿も定めた。するとだった。
トトは神々にだ、次にこう言った。
「では次は夫婦を作ろう」
「夫婦か」
「夫婦を定めるか」
「そうするか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「二人揃って何事もだ」
「行うか」
「そうしていくか」
「これからは」
「そうだ」
そうしていこうというのだ。
「これからはな」
「そうか、ではな」
「その様にしていこう」
「互いに伴侶を得て」
「そして全てを共にしていこう」
「そしてだ」
そうしてというのだ。
「世界を定めていこうだ」
「わかった、ではな」
「その様にしていこう」
「我々はな」
神々はトトの言葉に頷いてだった。
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